このページの本文へ移動

歴史を伝えるシリーズ 文化財の保護

  • 『臨時全国宝物取調局廃止書類(東京帝国博物館 例規録 明治30年より)  明治30年(1897)』の画像

    臨時全国宝物取調局廃止書類(東京帝国博物館 例規録 明治30年より)  明治30年(1897)

    本館 16室
    2008年12月9日(火) ~ 2009年1月25日(日)

      博物館などの文化財所有者は、文化財の公開とともに保護についても大きな責任を負っています。このことを広く知っていただくために、当館では昨年文化財保 護の出発点として知られる、明治5年(1872)の「壬申検査(じんしんけんさ)」にスポットをあて、その際実施された正倉院宝物をはじめとする社寺所有の文化財の調査に関する資料を紹介しました。今回の特集では、それに続いて明治20年代に行われた「臨時全国宝物取調(りんじぜんこくほうもつしらべ)」 についてご紹介します。

      「臨時全国宝物取調」は、「壬申検査」で得た経験をもとに、わが国で初めて全国的な文化財の所在・現状の把握することを目的として行われた調査です。国家的な水準で文化財の価値付けがなされ、後の指定制度につながる基本的事業となりました。

      展示では当時の文書や記録から、国家をあげて取り組まれた調査の規模の大きさを感じとることができます。また、調査に伴って制作された模写・模造品には、後に各分野で大成する芸術家の作品も含まれています。

主な出品作品

*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
宝物目録 臨時全国宝物取調局宝器課編 明治21~30年(1888~1897)
九面観音立像(模造) 森川杜園模造 (原品=国宝、奈良・法隆寺所蔵、唐時代・7世紀)
宝物精細簿・参攷簿類 臨時全国宝物取調局宝器課編 明治21~30年(1888~1897)