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博物館に初もうで 新春特集陳列「吉祥―歳寒三友」

  • 『重要文化財 梅花双雀図 伝馬麟筆 南宋時代・13世紀 山本達郎氏寄贈』の画像

    重要文化財 梅花双雀図 伝馬麟筆 南宋時代・13世紀 山本達郎氏寄贈

    東洋館 第8室
    2009年1月2日(金) ~ 2009年2月1日(日)

      厳しい寒さの中、松と竹は常緑を保ち、梅は百花に先駆けて開花し清香を放つことから、中国において松、竹、梅は、節度を守り不変の志をもつものとして「歳寒三友」と称えられてきました。また、松は不老長寿、竹は平安、子孫繁栄、梅は子孫繁栄(安産)などの象徴でもあります。

      さらに中国の花鳥画に描かれる多くの事物には、 例えば、蓮、水鳥、魚は豊かさ、牡丹は富貴、桃は長寿、葡萄、瓢箪、石榴は子孫繁栄、鳳凰は天下泰平、蝙蝠は福を象徴するように、人々のさまざまな願いがこめられています。それらは吉祥図として、人々に親しまれてきました。新年にあたり、歳寒三友(松・竹・梅)を中心に中国の吉祥図の豊かな世界の一端をご らんください。

主な出品作品

*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
重要文化財 梅花双雀図 伝馬麟筆 南宋時代・13世紀 山本達郎氏寄贈
老松図 金湜筆 明時代・天順2年(1458)
崑崙松鶴図 呂健筆 明時代・16~17世紀
墨竹図 呉宏筆 清時代・17世紀
鹿鶴図屏風 沈銓筆 清時代・乾隆4年(1739) 山崎達夫氏寄贈
五松図 李ぜん筆 清時代・18世紀
花卉図 趙之謙筆 清時代・同治9年(1870) 高島菊次郎氏寄贈
水仙図巻 陳書筆 清時代・雍正12年(1734)

 

新春企画 博物館に初もうで 2009年1月2日(金)~1月25日(日)
 
駿牛図
重要文化財 駿牛図巻断簡
鎌倉時代・13世紀
丑年のはじめは博物館で牛めぐり
 2009年もお正月は2日から開館します。国宝 一遍上人絵伝 巻七、国宝 鳥獣人物戯画巻 丁巻をはじめ、日本美術の名品はもちろん、和太鼓や獅子舞などの伝統芸能もお楽しみいただける東博のお正月。 美しい日本の文化にふれ、心豊かな新年のスタートをお迎えください。

1月2日(金)~4日(日)の3日間は、「東博牛めぐり&掛軸カレンダー」のアクティビティもお楽しみいただけます。
お正月休みは、ぜひ皆様ご一緒にお出かけください。
開催概要
会  期 2009年1月2日(金)~1月25日(日)
会  場 東京国立博物館
開館時間 9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日 月曜日
(ただし、1月12日(月・祝)は開館、翌13日(火)は休館)
観覧料 平常料金でご観覧いただけます。
一般600円(500円)、大学生400円(300円)
高校生以下、満70歳以上の方は無料
( )内は20名以上の団体料金
障害者とその介護者1名は無料です。入館の際に障害者手帳などをご提示ください。
東京国立博物館キャンパスメンバーズ会員の学生の方は、無料です。正門観覧券売場(窓口)にて、キャンパスメンバーズ会員の学生であることを申し出、学生証をご提示下さい。
特別展「未来をひらく福澤諭吉展」(2009年1月10日(土)~3月8日(日)、表慶館)および、特別展「妙心寺」(2009年1月20日(火)~3月1日(日)、平成館)は別途観覧料が必要です。
交  通 JR上野駅公園口・鶯谷駅から徒歩10分
東京メトロ銀座線・日比谷線 上野駅 、千代田線 根津駅、京成電鉄京成上野駅より徒歩15分
お問い合わせ     03-5777-8600(ハローダイヤル)
■ 新春特別展示 豊かな実りを祈る―美術のなかの牛とひと―
本館特別1室 2009年1月2日(金)~1月25日(日)

小袖
小袖 茶綸子地四季耕作風景模様 江戸時代・19世紀
五彩水牛文大皿
五彩水牛文大皿 ベトナム 16世紀
    東博のお正月といえば、新年の干支にちなんだ企画展示が恒例となっています。2009年の展示では、美術のなかで丑(牛)がどのように表され、そこに人々のどのような思いや祈りを読みとくことができるのか、ご案内いたします。

「小袖 茶綸子地四季耕作風景模様(こそで ちゃりんずじしきこうさくふうけいもよう)」には、田植え、稲刈りなど四季折々の農作業風景が表現されています。その中央にいる黒い牛にご注目ください。唐鋤(からすき)をひいて田を耕していることから、これが春の風景であるとわかります。実際、日本や東洋の美術のなかで、牛耕は春の訪れ、ひいては五穀豊穣の吉祥として、たいへん好まれた意匠です。会場では小袖の近くに、同じく牛耕の意匠を含む狩野探幽の「四季耕作図屏風」を並べます。豊かな実りをもたらす牛の姿を、ぜひ見比べてみてください。

作品に描かれた牛は、なにも農耕用に限りません。重要文化財「駿牛図巻断簡(しゅんぎゅうずかんだんかん)」は、車を引くための牛を水墨で描いた秀作です。わが国で乗用の動物は馬が普通でしたが、貴族は優雅な牛車に乗って移動しました。車を引く牛の作品が増えていく背景には、富と身分の象徴としての牛車の定着がうかがえます。

国外でも牛は身近な動物として、古くから作品に表されてきました。例えば、ベトナムの「五彩水牛文大皿(ごさいすいぎゅうもんおおざら)」の見込みには、大きな水牛がキュビスムのを思わせる手法で表現されています。自由な表現手法からは、ただの家畜として水牛を描いたのではなく、牛の悠然とした存在感へのあこがれや親しみを感じ取ることができるでしょう。 この展示を通して、人が牛に託した五穀豊穣をはじめとする思いをお楽しみいただければ幸いです。五穀に限らず、皆様にとってこの丑年が実り豊かな年でありますように。

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主な出品作品

*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
北野天神縁起絵巻(建治本)断簡 鎌倉時代・建治3年(1277)
重要文化財 駿牛図巻断簡 鎌倉時代・13世紀
五彩水牛文大皿 ベトナム・16世紀
十二神将立像 丑神 鎌倉時代・12~13世紀 神奈川・曹源寺蔵
小袖 茶綸子地四季耕作風景模様 江戸時代・19世紀
■ 新春の国宝室 一遍上人絵伝 巻第七
本館2室 2008年11月26日(水)~2009年1月4日(日)

国宝 一遍上人絵伝 巻第七(部分)
国宝 一遍上人絵伝 巻第七(部分)
法眼円伊筆 鎌倉時代・正安元年(1299)
    時宗の開祖、一遍の生涯を描いた絵巻です。一遍(1239~89)は、鎌倉時代の僧侶で、念仏を人々に広めるため、各地に赴き、念仏を唱えながら鉦鼓(しょうこ)という楽器を打ち鳴らし、大勢で輪になって回る踊念仏(おどりねんぶつ)や、「南無阿弥陀仏 決定往生六十万人」と刷られた紙札を配る賦算(ふさん)を行って布教しました。

この絵巻は、一遍の実の弟である聖戒(しょうかい)が絵巻の説明文である詞書の原文を書き、法眼円伊が絵を描いて、一遍の没後10年目の祥月命日にあたる正安元年(1299)8月23日に完成しています。もともとは12巻で構成されたものですが、江戸時代に第7巻の全画面4段分と詞書1段分が京都・歓喜光寺(かんきこうじ)から流出し、明治の美術蒐集家である原三渓(はらさんけい)のもとを経て、戦後、当博物館の所有となりました。

絵は、やまと絵の描法に中国絵画の描法を取り込んだ独特の画風で、一遍が歩いた各地の風景や人々の生活の様子が季節感ゆたかに活き活きと描き出されています。平成15年から16年にかけて修理された際、画面の表面の色に合わせ、裏面も同じように塗り分けられていることが判り、その入念な制作が確認されています。

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■ 新春の国宝室 鳥獣人物戯画巻 丁巻
本館2室 2009年1月6日(火)~2月1日(日)

 「鳥獣人物戯画絵巻」は京都の高山寺に伝世した白描の絵巻です。現在、甲・乙・丙・丁の4巻からなりますが、それぞれの巻は画風や制作年代が異なります。擬人化されたウサギやカエルをユーモラスに描いた甲巻(平安時代)、動物図鑑のような乙巻(平安時代)、人物と動物戯画の丙巻(鎌倉初期)、そしてこの丁巻は、いろいろな人物を各場面に分けておもしろおかしく表わしたもので、制作時期は丙巻よりややくだると考えられています。

「侏儒による曲芸」に始まり、「扇子と団扇を旗印して験くらべをする修験者と法師」「法会」「流鏑馬」「田楽」「毬打(ぎっちょう:ホッケーのようなあそび)」「丸太を運ぶ木遣り」「宗理問答」「印地打ち(石合戦)」そして「牛車から降りる束帯姿の公卿」「散楽師」で終わります。

筆による描線の勢いを存分に駆使し、時として放埓なまでに筆致を展開しているさまをお楽しみください。ただし一箇所だけ、「宗理問答」に列なる公卿のうち、振り返っている人物の顔のみが似絵の手法で丹念に描写されています。自分の技量をユーモラスに披露する筆者の自画像ではないかと推定されています。

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家族で楽しむ お正月のハンズオンアクティビティ
東博牛めぐり&掛軸カレンダー配布
1月2日(金)~4日(日)の3日間、「東博牛めぐりパンフレット」を配布します。パンフレットを見て牛の作品を探し、クイズに答えてください。正解者には記念品をプレゼント(中学生以下)。 パンフレットの裏側は2009年のカレンダーになっています。掛軸デザインの美しい台紙に、「あいさつ」「仲良し」「日本一」など、今年の目標をスタンプで押して、自分だけのカレンダーを作りましょう。

配布期間:2009年1月2日(金)~4日(日)
配布場所:本館特別1室、20室、東洋館エントランス
※答え合わせは本館20室 10:00~16:00
新春イベント  ※雨天時は場所を変更、または中止になることがあります。
獅子舞
2009年1月2日(金) 10:30~、13:00~ 受付終了
2009年1月3日(土) 10:30~、13:00~ 受付終了
本館前
演者:東都葛西囃子睦会
和太鼓演奏
2009年1月2日(金) 11:00~、13:30~ 受付終了
2009年1月3日(土) 11:00~、13:30~ 受付終了
正門内池前
演者:和太鼓御響(おびき)
江戸の遊芸(江戸売り声)
2009年1月2日(金) 12:00~、14:30~ 受付終了
正門内池前(※本館前から変更になりました)
演者:宮田章司氏
クラリネットコンサート
2009年1月3日(土) 12:00~、14:30~ 受付終了
平成館ラウンジ
演奏:アマトゥール
いけばな
2009年1月2日(金)~1月12日(月・祝)
山根由美氏(真生流家元)
TNM&TOPPANミュージアムシアター
2009年1月2日(金)、1月3日(土) 当日予約制。
受付締切 9:50、10:50、11:50、13:50、14:50、15:50
本館エントランスにて受付
「法隆寺献納宝物 国宝 金銅 灌頂幡 飛鳥の天人」上映。各日先着60名様に記念品を進呈。
新春東博寄席
2009年1月11日(日) 13:30~  チケット完売
平成館大講堂
出演:金原亭馬生、古今亭菊春、金原亭馬治、金原亭馬吉
料金:2,000円(当日、平常展もご観覧いただけます。)
獅子舞 獅子舞
和太鼓演奏 和太鼓演奏
上野・寛永寺との連携事業
寛永寺根本中堂特別参拝
2009年1月2日(金)、3日(土) 10:00~15:00
根本中堂、徳川歴代の将軍の肖像画(油画)、天下三銘石之一「黒髪山」のほか、修理によって元禄15年(1702)制作が明らかになった十二神将像を公開します。
寛永寺根本中堂
寛永寺根本中堂
ミュージアムショップからお年玉プレゼント
2009年1月2日(金)、3日(土)
ミュージアムショップで2,500円以上お買い上げの方にミュージアムグッズなどをプレゼント。
2009年1月2日(金)~12日(月・祝)
美術書バーゲンセール
レストランからお年玉プレゼント
レストラン・ラコール  2009年1月2日(金)、3日(土)
お一人様1,500円以上ご利用のお客様に抽選でプレゼント。
〔A賞〕精養軒オリジナルお菓子 ガトー・セレクション
〔B賞〕精養軒オリジナルワイン ハーフボトル(白)1本
ホテルオークラ・ガーデンテラス  2009年1月2日(金)、3日(土)
レストランご利用のお客様に、甘酒をサービス。
1月から開催の特別展
慶應義塾創立150年記念「未来をひらく福澤諭吉展」
表慶館 2009年1月10日(土)~3月8日(日)
※特別展「未来をひらく福澤諭吉展」は別途観覧料が必要です
慶應義塾創立者福澤諭吉の多方面にわたる活動と塾の歴史、またあわせて実業家として活動した多数の福澤門下生らが収集した美術品を紹介します。
開山無相大師650年遠諱記念 特別展「妙心寺」
平成館 2009年1月20日(火)~3月1日(日)
※特別展「妙心寺」は別途観覧料が必要です
妙心寺開山関山慧玄の650年遠諱にちなみ、本山および塔頭の名宝を中心に、各時代に花開いた禅文化をご覧いただきます。