平成館 企画展示室
2008年9月9日(火) ~ 2008年10月19日(日)
日本には、やきものや漆器など、大事な器を好みの布で作った仕覆(しふく)に入れて箱に納め、さらにその箱を布で包んで保存する習慣があります。中身の器もさることながら、それを包む布、裂(きれ)も古渡りの貴重なものが多いのです。
客人を招き、茶と料理でもてなす。季節や目的に応じた空間の演出を練りながら、見合う器を選ぶ。まさに茶をたしなむ人々こそが、このような楽しみをよく 知っていたのではないでしょうか。だからこそ、ひとつひとつの器を思い入れのある裂に包み、大切に守ってきたのです。
この特集陳列では、およそ安土桃山から江戸時代にかけて日本に将来され、このように人々の眼を楽しませてきた彦根更紗(ひこねさらさ)と中国景徳鎮民窯(けいとくちんみんよう)の磁器をご紹介いたします。