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中国古銅近人印譜

  • 『集古印譜 甘暘編 明時代・万暦24年(1596) 小林斗あん氏寄贈』の画像

    集古印譜 甘暘編 明時代・万暦24年(1596) 小林斗あん氏寄贈

    東洋館 第8室
    2008年11月5日(水) ~ 2008年12月25日(木)

     東京国立博物館は、平成14・15の両年度にわたって小林斗あん(1916~2007)氏ご愛蔵の中国稀覯印譜(きこういんぷ)および篆刻(てんこく)資料、都合423件のご寄贈を受けました。

      小林斗あん(庸浩)氏は、尖鋭な刀法を駆使した緻密な作風をよくする篆刻家として、わが国書壇における指導者的役割を果たされ、また文字学・印学への造 詣 も深く、早くから多くの論考や著作を発表されてきました。その知性に裏付けられた洗練を極める作風と、数々の学術的な貢献によって、小林氏は平成5年に日本芸術院会員、11年には文化功労者に推挙され、15年には中国・西れい印社名誉副社長に就任、16年には文化勲章を受章、19年8月13日に永眠されました。

      当館では昭和51年(1976)、実業家の横田実(よこたみのる)氏(1894~1974)から、漢南印譜コレクションとして知られる中国古銅印譜 198点・近人印譜247点のご寄贈を受けています。横田氏が生前に執筆された印譜解題は、歿後ほどなく小林氏の整理を経て『中国印譜解題』として刊行さ れました。 同コレクションの名品のひとつ「集古印譜(しゅうこいんぷ)」(原鈐(げんけん)本)は、小林氏が「漠南書庫(ばくなんしょこ)を代表するのみならず、古銅印譜の冠冕として、わが国印譜中最高に位すべきものである」と絶賛したものです。

      この特集陳列では、小林氏のコレクションを主としながら、これに横田氏コレクションの名品「集古印譜」を加え、中国における印譜の歴史を概観します。

主な出品作品

*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
印史 郭宗昌編 明時代・万暦43年(1615)  小林斗あん氏寄贈
集古印譜 顧従徳編 明時代・隆慶6年(1572) 横田実氏寄贈
十鐘山房印挙 陳介祺編 清時代・光緒9年(1883) 小林斗あん氏寄贈
斎雲館印譜 呉俊卿作 清時代・光緒2年(1876) 小林斗あん氏寄贈
名人印集 丁敬(他)作、林大宗編 清時代・道光19年(1839) 小林斗あん氏寄贈