東洋館 第3室
2007年3月6日(火) ~ 2007年5月27日(日)
透けるような緑色の釉薬がかけられたタイの青磁、肌色をおびた白釉のうえににじんだコバルトが美しいベトナムの青花、そして限られた色彩にもかかわらず、明るく温かな表情が魅力的な五彩など、これらは15、16世紀に生産されたインドシナ半島を代表するやきものです。
大航海時代、中継貿易地として栄えたタイやベトナムには、世界に名を馳せた景徳鎮窯や龍泉窯のやきものをはじめ、さまざまな中国陶磁が流入しました。その結果、インドシナ半島における製陶は大きな変化をとげ、国外へ輸出されるまでに発展したのです。
中国陶磁の、時に冷たいまでに完成された造形表現とは異なり、重量感のある素朴な胎土が全体を穏やかな印象に導きます。そして、独特の器形や温かくのびやかな文様表現には、インドシナ半島のやきものならではの味わいや親しみが感じられるでしょう。ぜひ、その魅力をご堪能ください。