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日本の博物学シリーズ 旅と街道

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    本館 16室
    2006年10月17日(火) ~ 2006年12月17日(日)

      江戸時代には大名の参勤交代や、庶民の伊勢参り、湯治、物見遊山など、大勢の人々がさまざまな目的で旅に出かけるようになりました。全国の街道は、幕府の統治のために整備されましたが、そのいっぽうで文化や情報を伝達する役割も果たしました。

      道中奉行所が制作した『東海道分間延絵図』(重文)は、主要な街道の様子を詳細に描いています。これに対し、小型で携帯用の道中絵図は、目的地までの里程、宿、関所での手続き、名物やお土産などの紹介も加わり、今日のガイドブックといえるでしょう。八隅蘆庵(やすみろあん)の『旅行用心集』は、代表的な案内書で、快適な長旅をするための知恵や注意すべき事柄が盛りだくさんです。名所旧跡の由来などを挿絵入りで記した「名所図会」も旅行ブームを反映しています。また「道中日記」には、旅の途中で見聞きした文化財のスケッチや詳細な記録が添えられていることも少なくありません。

      旅の必需品である日時計、懐中持薬入れから、弥次郎兵衛と喜多八の珍道中を描いて大流行した『東海道中膝栗毛』にいたるまで、旅の楽しさを伝える資料をご覧いただきたいと思います。

主な出品作品

*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
重要文化財 東海道分間延絵図 巻一 道中奉行所編 江戸時代・文化3年(1806) (2006年11月14日(火)巻替)
大名行列人形 山田幾右衛門作 明治時代・19世紀