東洋館 第5室
2006年12月12日(火) ~ 2007年3月4日(日)
遼(りょう:916~1125年)は内蒙古の遊牧民族であった契丹族(きったんぞく)が、元(1271~1368年)はモンゴル帝国が中国に建てた国です。伝統的な漢民族の文化を継承しつつ、それぞれの文化を移入した点に両国の染織の特色が見られます。これまで不明な点の多かった遼代の錦は、近年の発掘品調査によって、遼代に開発された組織であることが明らかとなりました。元代には、西アジアの技術を導入し金糸を織り込む技術が発展し、良質な金襴が生産されるようになりました。動植物文様を織り出したカラフルなこく絲(し)(日本でいう綴織(つづれおり))も盛んに制作されました。遼代の錦、元代の金襴・こく絲を中心に、漢民族と異民族の文化が融合して生まれた2国の染織の特色をご覧いただきます。