本館 特別1室
2006年5月9日(火) ~ 2006年6月4日(日)
鎌倉時代以降、日本には中国の書画器物等が多く舶載(はくさい)されました。それらの作品はやがて中国とは異なる日本人固有の美意識に基づいて、書院の座敷飾や茶の湯における道具として鑑賞されるようになり、単なる中国の美術品としてではなく、新たな意味づけをされた「唐物」として用いられてきました。こ れらの内、足利義満や足利義政の蔵品を中心とする足利将軍家伝来のものは「東山御物(ひがしやまごもつ)」として特に重んじられ珍重されました。
このたび、国宝室に 「東山御物」の最高の格式をもつ梁楷(りょうかい)の出山釈迦図と雪景山水図の三幅対が展示されるのに合わせて、特集陳列「東洋の名品 唐物」を開催し、「東山御物」の由緒をもつ館蔵の作品を中心に唐物の名品、すなわち、足利将軍家の蔵品目録である『御物御絵目録』に名の記される梁楷、玉澗(ぎょっかん)、顔輝(がんき)、趙昌(ちょうしょう)などの唐絵や、足利義政にかかわる逸事(いつじ)が残る砧青磁「馬蝗絆(ばこうはん)」などの宋代青磁の名品を展示いたします。