本館 特別2室
2005年8月30日(火) ~ 2005年10月10日(月・祝)
月は人類にとってもっとも身近な天体です。澄みきった天空にかかる月を美しいと感じる心は古今東西に普遍のものといえるのではないでしょうか。わが国ではとくに旧暦八月十五夜の月を「中秋の名月」として観賞することが古くから行われてきました。「お月見」の習俗はいまものこっています。かの兼好法師(けんこうほうし)も『徒然草(つれづれぐさ)』(212段)で「秋の月は、限りなくめでたきものなり」と、四季の中でもとくに秋の月を賞賛しました。
ここでは和歌に詠まれ、絵画や工芸品に表わされたさまざまな秋の月を鑑賞します。月だけでは秋の月と特定できません。添えられた風物によって初めて秋の月だとわかるのです。月と組み合わされたとりどりの秋のモチーフを改めて確認してみてはいかがでしょうか。