東洋館 第8室
2005年5月31日(火) ~ 2005年7月31日(日)
高島菊次郎氏(1875~1969)は、日本の製紙業界に大きな貢献を残しました。またそのかたわら、50歳を過ぎた頃から老子・荘子を中心に漢学を研究し、書画に関する関心を次第に深め、中国書画の収集に力を注がれました。その収集品は、早くから高島コレクションとして内外に喧伝され、その分野の研究に果たした功績はきわめて大きなものがあります。
晩年は書画の収集のみでなく、自らも書画篆刻に携わり、昭和44年に94歳の天寿を全うされました。中国では単なる好事家ではなく、書画を真に好み、書画に精進して鑑識をよくする文人を賞鑑家といいますが、高島氏は日本における数少ない賞鑑家の一人であったと言えるでしょう。
東洋館が開館を間近にひかえた昭和40年春、卒寿(90歳)を迎えられた高島氏は、ご愛蔵の中国書画を当館に寄贈されました。一部の研究者に知られていた高島氏ご収集の中国書画は、東洋館の主軸をなす良質のコレクションとして広く一般の人々に公開されることとなりました。高島氏の没後、令夫人光子氏、令息泰二氏による寄贈分とあわせて、高島氏のコレクションは、昭和43年に東洋館が開館して以来、中国書画の展示を常に支えてきました。
このたび、高島氏のご寄贈40周年を記念して、高島コレクションを特集して展示いたします。