平成館 企画展示室
2005年6月14日(火) ~ 2005年7月24日(日)
万国郵便連合(UPU)は加盟国の郵政に対して、各加盟国が発行した新切手を真偽の照会用にと送付しています。大正時代の切手趣味の雑誌によると、日本の郵政はこの新切手1種につき3枚送られてくる内の1枚を、当時の東京帝室博物館に寄贈していたそうです。このようなことで、東京国立博物館は明治時代中頃から大正時代に発行されていた世界の切手を所蔵しています。
郵便切手という国家が発行した印刷物には、その時代の風潮や社会状況が視覚化されています。国王の肖像、神や神話の人物、料金と模様、国土の風景や風習、動物や植物などが、小さな平面空間にデザインされているのです。切手は、「グラフィックデザインの宝庫」だといえるでしょう。イラストやデザインに興味を持つ若い人たちの間で、このような切手の特質に気が付いた人たちが今、切手に注目しつつあります。
時代を物語るデザイン作品として、切手の展示をお楽しみください。