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感覚情報コラム

センサリーマップには載せられなった東京国立博物館における感覚情報をまとめています。博物館の音や光の特徴を知ることで、苦手な場所または、リラックスできる場所をより探しやすくなります。
また、博物館を過ごしやすくするためのコツや休憩場所もご紹介しています。センサリーマップと合わせてご活用ください。

 

建物と音の反響

東京国立博物館には展示館がいくつかあり、建物によって音の反響が異なります。その中でも音が最も響きやすいのは本館です。本館は昭和13年(1938年)に建てられた鉄骨鉄筋コンクリート構造の古い建物で、吸音材を使用した場所はほとんどないため、音が反響しやすくなっています。展示室は、音の響きが必要とされるコンサートホール並みに音が反響し、大理石が用いられたエントランスはそれ以上に反響します。他の展示館では天井などに吸音材が使用されており、本館ほど音が反響することはありません。

音が反響しやすい環境下だとアナウンスにエコーがかかってはっきり聞こえないため、聴覚過敏のある方などは、聞き取れなかったり、強い刺激として感じたりすることがあります。 定期アナウンスの時間と内容はセンサリーマップの音情報に載せているので、その時間は本館を避けるなど、過ごしやすい環境を探すのにご参考ください。また、ノイズキャンセリングのあるイヤホンを使用することも有用です。

 

展示室の照明

展示作品によって、展示室の照明を変えています。東京国立博物館にある作品の多くが紙、布、木など熱や光に弱い素材でできています。また絵画の絵具やきものなどの染料は熱や光をあてると色があせたりうすくなったりします。そのため、展示室の照明は、作品の素材や性質に応じて明るさを変える必要があります。東京国立博物館では、日本絵画は100ルクス、水彩画やデッサンは80ルクス、色あせしやすい染料が用いられた浮世絵版画は50ルクスを基準としています。また、照明の明るさだけでなく色味(色温度)も作品によって変えています。例えば、東洋館のケース内照明は、金属器には白っぽい(色温度が高い)照明、陶磁器には中間色の照明、染織には赤みのある(色温度が低い)照明を使用しています。視覚過敏の方によっては、色味の違いによって作品が見えづらくなることがあります。

東京国立博物館では年間約400回程度の展示替えを行っており、展示作品が常に変わります。そのため、センサリーマップには、特に「光刺激の強い場所」のみを表示しており、照度や色味は載せていません。センサリーマップ上で「光刺激の強い場所」となっていない場合でも、照明の種類によってはまぶしく感じたり、作品が見えづらいと感じたりすることもあります。その場合、サングラスを使用すると作品鑑賞がしやすくなります。

 

体験型スペース

体験型スペースには、案内をするスタッフや会話をしながら体験される方が多く、滞在時間も長くなりやすいため騒がしい環境です。音がでるモニターや機材などもあり、音刺激が強い場所です。また、手元がよく見えるよう照明は明るくしており、デジタルコンテンツを導入している部屋も多いため、光刺激も強くなっています。

東京国立博物館では、以下5か所が体験型スペースです。

本館1階
 ・ 19室「みどりのライオン 体験コーナー」
 ・ 特別3室「日本美術のとびら」
 ・ 特別4室「日本文化のひろば」

東洋館3階
 ・ 6室「オアシス6 アジアの占い体験」

法隆寺宝物館中2階
 ・ 「デジタル法隆寺宝物館」

 

博物館を過ごしやすくするためのコツ

休憩をとりながらゆっくり博物館をまわると、作品鑑賞がしやすくなります。休憩場所を探すのにセンサリーマップをご活用ください

  • ・ 博物館についたらひとまず休憩をしましょう。東洋館1階のラウンジは空いていることが多く、椅子と机があるのでおすすめです。
  • ・ ロッカーに荷物を置いて、身軽な状態で博物館をまわるようにしましょう。
  • ・ 音や光が気になる場合は、ノイズキャンセリングイヤホンやサングラスなどを使いながら作品を鑑賞しましょう(イヤホンやサングラスの貸出は行っていません)。
  • ・ 1時間に1回程度、休憩をはさみましょう。
  • ・ 水分補給を行いましょう。飲食は本館地下1階、平成館ラウンジ、東洋館テラス、屋外でできます。
  • ・ 作品鑑賞につかれたら、屋外のテラスや庭園でリフレッシュをしましょう。

 

 

休憩場所の紹介

東京国立博物館の公式鑑賞ガイドアプリ「トーハクなび」では、東京国立博物構内で休憩できる場所を集めた「休憩スポット」コースを紹介しています。

各休憩場所の混雑、騒音、明るさをレベル分けし、椅子とテーブルの有無や飲食の可否をご案内しています。ご自身の特徴や目的に合わせて、過ごしやすい休憩場所を探すのにご利用ください。

トーハクなびの詳細へ移動

 

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