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特集 ニール号引き揚げ品—ウィーン万博をめぐる日欧の工芸文化交流—

  • 『色絵金彩婦人図皿ドイツ・バイエルン 19世紀ウィーン万国博覧会事務局引継』の画像

    色絵金彩婦人図皿
    ドイツ・バイエルン 19世紀
    ウィーン万国博覧会事務局引継

    本館 14室
    2023年3月21日(火・祝) ~ 2023年5月14日(日)

    1873年、日本にとっては初めての公式参加となるウィーン万国博覧会が開催されました。明治政府は前年に全国に呼び掛け、日本各地から特産物や工芸品を集めて出品し、また現地で展示するために名品も借り受けました。現地ウィーンでは、日本の産業に資するためにヨーロッパ各国の産業見本や工芸品・資料が収集されました。ところが、これらの物品を香港から載せたフランスの郵船ニール号は伊豆沖で大嵐にあい、沈没してしまいます。この時、持ち帰った品々や諸家から借り受けた名宝の多くが失われてしまいましたが、その後の引き揚げ事業によって今に至るまで当館に引き継がれている作品もあります。本特集は、ウィーン万国博覧会開催150年の節目として開催するもので、今に伝わるニール号引揚品の一部やその他のウィーン万博関係資料、またこのニール号の事故を受けてあらためて海外から寄贈された作品などを通して、初期の博物館の海外交流の様子を紹介します

    担当研究員の一言

    当館の始まりとも深いかかわりのある1873年のウィーン万国博覧会への参加は明治日本の国家的な事業であり、近代化と国際参加に大きな役割を果たしました。その陰に、博物館最初の大ピンチともいえるニール号の沈没がありました。今に残る作品や資料からは、当時の苦労はいかばかりだったかということがしのばれます。困難な出来事でしたが、後に続いていく外国の博物館との物品交換などの活動、そして今にいたる歴史にもその教訓は確かに活かされています。/遠藤楽子

主な出品作品

(注)所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。

色絵金彩婦人図皿 ドイツ・バイエルン 19世紀 ウィーン万国博覧会事務局引継

鼈甲製鳥籠 長崎 江戸時代・19世紀 ウィーン万国博覧会事務局引継

鼈甲製鳥籠 長崎  江戸時代・19世紀 ウィーン万国博覧会事務局引継

銹絵葡萄図角皿 乾山 江戸時代・18世紀 ウィーン万国博覧会事務局引継

色絵花虫図陶板(タイル) イギリス ミントン社 19世紀 ウィーン万国博覧会事務局引継

色絵蘆鷺図陶板(タイル) イギリス ミントン社 19世紀 ウィーン万国博覧会事務局引継