本館 特別1室・特別2室
2022年9月6日(火) ~ 2022年10月30日(日)
草創期の東京国立博物館では、多くの模写・模造作品が作られました。これらは文化財の記録として、また展示品の足りない分野を補う役割が期待されていました。 外部の専門家に制作を依頼し、館内で専属の職員を雇用したほか、積極的に購入を進めました。この時期の模写・模造事業を詳しく知ることは、東京国立博物館の歩みだけでなく、近代日本における博物館行政や文化財保護理念の一端を知る手がかりとなります。
本特集では、明治5年(1872)の博物館の創立以降、明治22年(1889)の帝国博物館設置、明治33年(1900)の帝室博物館設置を経て、昭和22年(1947)に国立博物館となるまでに制作された模写・模造作品を精選して展示します。この75年間は、令和4年(2022)に創立150年を迎えた東京国立博物館の歴史のちょうど半分の期間に相当します。
この節目の年に、近代における模写・模造制作の意味や、草創期の博物館の活動の一端をお伝えすることができれば幸いです。