本館 特別1室・特別2室
2022年1月2日(日) ~ 2022年1月30日(日)
あけましておめでとうございます! 令和4年の干支は寅です。虎のモチーフは、日本はもちろんアジアでも、さまざまな作品に取り入れられました。この展示では、虎の多様な表現とともに、そこに込められた想い、投影されたイメージをご紹介します。
古代より虎は、悪霊を退ける動物、とりわけ、西方をつかさどる守護神とされてきました。仏教美術では、釈迦の前世の物語や、羅漢図などに登場します。獰猛な虎を手なずける羅漢の姿は、人々に尊敬の念を抱かせたことでしょう。さらに、虎は優れた武勇を示す動物として、数々の作品に登場しています。水墨画に描かれた対峙する「龍虎」の気迫あふれる画面をはじめ、虎との闘いを表した浮世絵は、登場人物の豪傑さをものがたります。
アジアの虎に目を向けると、身体の特徴や色遣いなど、日本の虎とは一味違った表現を見ることができます。豹にも近しいその姿は、勇ましくもとてもユニークです。
そして、近代にさしかかると表現が変わり、日本では博物学的な視点から、虎が捉えなおされます。写生図などの作品は、「虎」という動物に対しての、新たなアプローチだったといえるでしょう。
本年はトーハク創立150年の記念すべき年にあたります。新たな一年を寿ぐとともに、皆様とトーハクの未来に向けて、この展示からとも に新たな一歩を踏み出すことができれば幸いです。