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没後700年 趙孟頫とその時代―復古と伝承―

  • 『独孤本定武蘭亭序並蘭亭十三跋(部分) 趙孟頫筆 中国 元時代・至大3年(1310)原跡=王羲之筆 中国 東晋時代・永和9年(353) 高島菊次郎氏寄贈(会期中頁替あり、画像の頁は2月1日(火)~20日(日)まで展示予定)』の画像

    独孤本定武蘭亭序並蘭亭十三跋(部分) 趙孟頫筆 中国 元時代・至大3年(1310)
    原跡=王羲之筆 中国 東晋時代・永和9年(353)
    高島菊次郎氏寄贈(会期中頁替あり、画像の頁は2月1日(火)~20日(日)まで展示予定)

    東洋館 8室
    2022年1月2日(日) ~ 2022年2月27日(日)

    令和4年(2022)は、中国書画史に燦然と輝く巨星、趙孟頫(字子昂)(ちょうもうふ(あざな すごう)、1254~1322)の没後700年にあたります。趙孟頫は、南宋時代(1127~1279)の末期に、宋の太祖の11代目の子孫として呉興(浙江省)に生まれました。26歳で宋王朝の滅亡に遭い、33歳でモンゴル人が統治する元王朝(1271~1368)に召され、世祖(せいそ)から英宗(えいそう)までの5人の皇帝に仕えて、晩年には従一品の高官に任ぜられました。

    漢民族王朝である宋の皇族出身でありながら、異民族王朝の元に仕えたことから非難も受けますが、趙孟頫は漢民族の伝統文化の護持に尽力しました。書画においては、王羲之(おうぎし)を主とする晋唐の書法と唐宋の画法を規範として、復古主義を唱導し、文人の新たな在り方を示しました。その作品は、元末の四大家や明清時代の諸家にも大きな影響を与えました。

    本展では、趙孟頫をはじめとする元時代の書画に焦点をあて、その魅力と後世における受容を紹介します。「趙孟頫前夜」では、宋や金において尊ばれた、個性を表出する書をご覧いただきます。「趙孟頫と元時代の書」では、趙孟頫を起点に、倪瓚(げいさん)ら元末までの文人と、親交のあった中峰明本(ちゅうほうみょうほん)ら禅僧の作から、元時代の書の諸相を概観します。「元時代の絵画」では、趙孟頫と同時代の画家たちの多彩な活躍をお楽しみいただきます。そして、「明清時代における受容」では、趙孟頫の書画に影響を受けた後の時代の作例をご覧いただきます。

    本展は台東区立書道博物館との第19回目の連携企画です。両館の展示を通して、趙孟頫が活躍した元時代の書画の世界をご堪能ください。

     

    担当研究員の一言

    本展で19回目を迎える台東区立書道博物館との連携企画。実は、「元時代」をメインテーマにするのは今回が初めてとなります。その元時代で、書画ともに最重要人物とされるのが、本展の主役である趙孟頫です。宋から清時代までの書画を通して、趙孟頫が書画に託した思いに触れていただけますと幸いです。/六人部克典

 主な出品作品
*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
 主な出品作品
*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
独孤本定武蘭亭序並蘭亭十三跋 趙孟頫筆 中国 元時代・至大3年(1310) 原跡=王羲之筆 中国 東晋時代・永和9年(353) 高島菊次郎氏寄贈
楷書玄妙観重脩三門記巻 趙孟頫筆 中国 元時代・14世紀
行草書十詩五札巻 鮮于枢筆 中国 元時代・13世紀 高島菊次郎氏寄贈(展示 ~2022年1月30日)
草書詩書巻 康里巎巎筆、跋:張雨筆、文徴明筆 中国 元時代・14世紀 高島菊次郎氏寄贈
重要文化財 枯木図軸 子庭祖柏筆 中国 元時代・14世紀 個人蔵(展示 ~2022年1月30日)
重要文化財 雪汀遊禽図軸 羅稚川筆 中国 元時代・14世紀(展示 ~2022年1月30日)

 

図録

没後700年 趙孟頫とその時代―復古と伝承―

編集:台東区立書道博物館
編集協力:東京国立博物館
発行:公益財団法人 台東区芸術文化財団
定価:1,200円(税込)
ミュージアムショップにて販売中。