東洋館 8室
2021年9月7日(火) ~ 2021年10月17日(日)
交易の管理統制が比較的厳しく行なわれた江戸時代にあっても、中国大陸の文化を伝える人や物は、長崎などを通じて日本に入ってきていました。このなかで、明・清時代の書壇・画壇の新たな動向が日本に伝えられました。その取り入れ方には、当時の日本の人びとの美意識、興味関心のありようが反映されています。
本展では、江戸時代にもたらされた中国の書跡と絵画を、第1章・黄檗僧(おうばくそう)と禅宗の書画、第2章・沈銓(しんせん)の花鳥図とその波及、第3章・来日した明国・清国人の書画、第4章・市河米庵(いちかわべいあん)にみる江戸文人の中国書跡受容の四章にわけて紹介します。
これら、日本で大切に保存されてきた書画作品のなかには、中国大陸本土では伝統的な美術史に組み込まれず、必ずしも注目されてこなかったものもあります。本展を通じて、江戸時代における波濤(はとう)を越えた文化交流に思いを馳せ、その貴重な遺品をお楽しみいただければ幸いです。