本館 特別1室
2021年7月20日(火) ~ 2021年9月26日(日)
髙木聖鶴(たかきせいかく)氏(1923~2017)は仮名の書家で、その多大なる功績から文化功労者(ぶんかこうろうしゃ)に選ばれ、文化勲章(ぶんかくんしょう)も受章しています。学書(がくしょ)のために平安時代の書を中心に収集していた髙木氏は、そのコレクションから貴重な作品を生前数回にわたり、さらに、ご遺志にもとづき令和2年度(2020年度)にも当館にご寄贈下さいました。今回は、その髙木聖鶴氏旧蔵コレクションより、平安時代の書の断簡である古筆切(こひつぎれ)をまとめてご紹介します。
平安の仮名の名品として著名な「高野切(こうやぎれ)」の筆者による「法輪寺切(ほうりんじぎれ)」や、能書(のうしょ、書の巧みな人)の家系である世尊寺家(せそんじけ)の当主・藤原定信(ふじわらのさだのぶ)とその息子・伊行(これゆき)の書など、名筆がそろっています。平安の古筆切に学んだ髙木聖鶴氏の姿勢を伝える臨書(りんしょ)も展示します。現代の書家にも影響を与え続けている平安の華麗な書の世界をお楽しみください。