本館 特別1室・特別2室
2020年1月2日(木) ~ 2020年1月26日(日)
令和2年(2020)は十二支で最初の子年にあたります。暦や方角を示す十二支は古代中国に成立し、十二種類の動物のイメージと結びつきながら、中国大陸だけでなく朝鮮半島や日本列島まで広まりました。
その中でも鼠(ねずみ)は、現在では穀物を食べてしまう困りもののイメージがありますが、和銅5年(712)に編纂された『古事記』には大国主神(おおくにぬしのかみ)を救う知恵者の動物として登場します。江戸時代には、インド由来の神で、七福神に数えられる大黒天の使い、あるいは福をもたらす動物とみなされました。また、鼠はたくさんの子供を産むことから、子孫繁栄の象徴とされました。
今年の「博物館に初もうで」では、十二支や大黒天の使いとしての鼠の造形をご紹介します。あわせて古くから伝わる鼠の物語、そして染織品や陶磁器にみられる鼠色の表現をご覧いただきます。
福をもたらすという鼠にあやかって、本年がみなさまにとって幸福な一年になりますように心から願っています。