東洋館 8室
2019年10月29日(火) ~ 2019年12月25日(水)
今年も、秋の中国書跡・絵画の名品展として「中国書画精華」を開催します。日本の美術は、古くから中国書画の影響を受けてきました。特に、宋・元時代の書画は、禅宗文化とともに鎌倉・室町時代の日本に数多く伝えられ、書院や茶室で、日本の美意識にもとづいて愛されてきました。なかには、江戸時代に至るまでの文化人・芸術家の鑑定書や模本をともなう作品も少なくありません。
明治時代以降は、日中双方で近代化が進み、これまでになく人々の往来が盛んになる中で、中国で代々秘蔵されてきた書画の名品が、次々と日本にもたらされました。近代日本の財界人・文化人は、これまで日本ではぐくまれてきた美意識に加えて、新たに中国本来のそれを知ることになったのです。彼らは中国から流出した作品を積極的に収集し、優れた書画コレクションを形成しました。中国の名品がどのように日本に伝えられ、影響を与えてきたのか、日本における中国書画愛好の歴史に注目しながら、その魅力をご紹介いたします。