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中国の青磁―蒐集と研究の軌跡

  • 『青磁尊形瓶 中国・景徳鎮窯「大清乾隆年製」銘 清時代・乾隆年間(1736~95年) 広田松繁氏寄贈』の画像

    青磁尊形瓶 中国・景徳鎮窯「大清乾隆年製」銘 清時代・乾隆年間(1736~95年) 広田松繁氏寄贈

    東洋館 5室
    2019年4月23日(火) ~ 2019年7月15日(月・祝)

    青磁は、遥か3500年ほど前、商(殷)時代前期の灰釉陶(かいゆうとう)を起源とし、玉に優る深遠な美しさで人々を魅了してきた中国陶磁の本流です。

    古来、中国からさまざまな文物を受容してきた日本には、龍泉窯(りゅうせんよう)青磁を中心に名だたる優品が数多くもたらされ、珍重されてきました。とくに江戸時代以降、茶の湯の世界では唐物を筆頭に道具の格付けがなされ、中国青磁は「砧(きぬた)」を最上級として細かく分類、評価されるようになりました。

    このような歴史的背景のもとに培われた独自の鑑識眼に基づいて、20世紀初頭に陶磁器研究が世界的に熱を帯びると、日本では青磁研究が先進的に行われます。当館の蒐集活動は、その研究の歴史と密接にかかわっており、とくに大正・昭和期を代表する蒐集家横河民輔(よこがわたみすけ、1864~1945)の一大コレクションの寄贈は、東京国立博物館の蒐集と研究の礎となりました。

    今回は、明治から平成までおよそ150年のあいだに東京国立博物館が蒐集した中国青磁のなかから選りすぐりの名品を展示いたします。当館の蒐集と研究の軌跡をたどりながら、青磁を通して日本人独特の美意識や鑑識眼にふれていただきます。

     

     

    担当研究員の一言

    時代や生産地によってさまざまに異なる魅力を放つトーハクの中国青磁。たっぷりお楽しみください。/三笠景子

 主な出品作品
*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
 主な出品作品
*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
青磁盤 中国・汝窯川端康成旧蔵 北宋時代・11~12世紀 香取國臣氏・芳子氏寄贈
青磁牡丹唐草文大瓶 中国・龍泉窯 明時代・15世紀 田中芳男氏寄贈
青磁蓮弁文盤 中国 南朝時代・5~6世紀 横河民輔氏寄贈
青磁花卉文水指 中国・龍泉窯 明時代・15世紀 広田松繁氏寄贈
青磁尊形瓶 中国・景徳鎮窯「大清雍正年製」銘 清時代・乾隆年間(1736~95年) 広田松繁氏寄贈
越窯址採集陶片 中国・越窯 五代~北宋時代・10~11世紀 百瀬治氏・百瀬富美子氏寄贈