本館 特別1室・特別2室
2019年1月29日(火) ~ 2019年3月31日(日)
米沢藩(現在の山形県米沢市を中心とした地方)を治めた上杉家は、4代藩主・綱憲(つなのり、1663~1704)が金剛流宗家の弟を召し抱えてから、歴代藩主が金剛流の能楽をたしなんできました。また8代藩主・重定(しげさだ、1720~1798)は能楽を特に愛好し、自らも数多くの能を演じ、その優劣を能楽師と競うこともあったといいます。収集した能面や能装束、謡本(うたいぼん)、秘伝書などは、蔵が2棟も必要なほど、規模の大きなコレクションで、その多くは重定の代の収集品のようです。
ところが現在、上杉家の能面や能装束は散逸してしまいました。上杉家能面・能装束のコレクションの全容を知る数少ない手掛かりとなりうるのが、東京国立博物館の前身である東京帝室博物館が上杉家から購入した、能面32面と能装束96領です。この特集は、これらをまとまったかたちで展示する、はじめての機会です。 2月26日からは本館9室で 「能と歌舞伎 上杉家伝来能装束に見る 唐織(からおり)の美」 も行なわれます。あわせてご覧ください。
当館が所蔵する上杉家伝来の能面・能装束に、能楽を愛し、楽しんだ上杉家の歴代藩主たちの思いを感じていただければ幸いです。