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江戸後期の京焼陶工―奥田頴川と門下生を中心に

  • 『重要美術品 色絵飛鳳文隅切膳 奥田頴川作 江戸時代・18~19世紀 大河内正敏氏寄贈』の画像

    重要美術品 色絵飛鳳文隅切膳 奥田頴川作 江戸時代・18~19世紀 大河内正敏氏寄贈

    本館 特別2室
    2018年2月6日(火) ~ 2018年4月22日(日)

    この特集は、江戸時代後期(18~19世紀)に活躍した京焼の陶工(とうこう)・奥田頴川(おくだえいせん、1753-1811)とその門下生を中心に取り上げご紹介するものです。

    奥田頴川は、代々質商を営む家の養子として暮らし、30歳頃から製陶を始めたとされています。そして、京都で初めて本格的な磁器づくりを成功させました。さらに、当時、文化人の間で中国趣味や煎茶(せんちゃ)が人気を博していた時代の流れに応じ、中国陶磁に倣いつつ、独自の作風を生み出していきます。  

    頴川の下には、青木木米(あおきもくべい、1767-1833)、欽古堂亀祐(きんこどうきすけ、1765-1837)、仁阿弥道八(にんなみどうはち、1783-1855)といった京焼の陶工たちが集い、中国陶磁の技法を用いたり、伝統的な京焼の作風をふまえたりしながら、それぞれが個性のある陶磁器を作り出しました。さらには、各地の藩に招かれ、藩主たちが城内などに開いた窯で焼く御庭焼(おにわやき)の発展に関与するなど、多様な作風を生み出し、京都の陶磁器づくりの技術が、全国へ広がっていくきっかけを作りました。

    この展示ではまず、京焼の陶工たちが手掛けたとされる個々の作品を紹介し、続いて諸藩の御庭焼など、京焼の陶工たちが関わった地方窯を紹介します。江戸時代後期における京焼の諸相と、技術伝播の様子をぜひご覧ください。
     

    担当研究員の一言

    バラエティ豊かな京焼陶工たちの作風、地方窯の様相をぜひお楽しみください。/横山梓

 主な出品作品
*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
 主な出品作品
*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
重要文化財 染付龍濤文提重 青木木米作 江戸時代・19世紀 笠置達氏寄贈
重要美術品 色絵飛鳳文隅切膳 奥田頴川作 江戸時代・18~19世紀 大河内正敏氏寄贈
煎茶具 青木木米他作 江戸時代・19世紀
白泥色絵人物文凉炉 「欽古」 印 欽古堂亀祐作 江戸時代・19世紀
色絵桜楓文木瓜形鉢 仁阿弥道八作 江戸時代・19世紀