平成館 考古展示室
2017年9月26日(火) ~ 2017年12月25日(月)
いわき市は福島県南東部に位置し、同県内では浜通り地方とも呼ばれる太平洋に面した地域です。
縄文時代の太平洋沿岸には貝塚が数多く分布しますが、とくにいわき市は前期から晩期の貝塚が集中することでも知られます。後期や晩期にはシカの角で漁撈具や装身具を作り、晩期には寺脇型と呼ばれている釣針が発達しました。また、縄文時代の儀礼に用いられた岩偶や岩版などの石製品も、地域的な特徴をもつことで著名です。
一方、古墳時代には山の斜面に掘りこんだ横穴墓が盛行した地域として知られ、墓内には金銅製馬具や幡金具といった豪華な副葬品が納められていました。また、いわき市周辺には装飾古墳が集中しており、とくに中田横穴墓は、豊かな彩色で地域を代表しています。
本特集は、平成29年度考古相互貸借事業によるもので、いわき市考古資料館の所蔵品を中心に紹介します。