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運慶の後継者たち―康円と善派を中心に

  • 『重要文化財 文殊菩薩坐像(文殊菩薩騎獅像および侍者立像のうち) 康円作 興福寺伝来 鎌倉時代・文永10年(1273)』の画像

    重要文化財 文殊菩薩坐像(文殊菩薩騎獅像および侍者立像のうち) 康円作 興福寺伝来 鎌倉時代・文永10年(1273)

    本館 14室
    2017年8月29日(火) ~ 2017年12月3日(日)

    鎌倉時代に活躍した仏師運慶(うんけい、?~1223)に連なる一派を慶派(けいは)といいます。運慶は数多くの仏師を擁する工房を営み、数々の造仏を手がけました。その写実を基本とした、量感豊かで力強い作風は、新興の武家のみならず、寺社や公家をも魅了し、後の世代にも大きな影響を与えました。なかでも運慶の孫にあたる康円(こうえん、1207~?)は、当時の慶派を代表する仏師として注目すべき存在です。

    康円と同じ頃に活躍した仏師、善円(ぜんえん、のち善慶(ぜんけい)と改名、1197~1258)も見逃せません。善円らの系統の仏師たちを善派(ぜんぱ)と呼んでいます。善派は慶派の本流とは一線を画し、奈良を中心に活動していたことが遺品からわかります。

    本特集では、康円および善円の作品を中心に、運慶以後の鎌倉彫刻の展開について紹介します。彼らは運慶の作品から何を学び、継承していったのか。特別展「運慶」(9月26日(火)~11月26日(日)、平成館)と、あわせてご覧いただければ幸いです。
     

    担当研究員の一言

    運慶の孫世代の仏師たち。運慶から受け継いだ、現実味と躍動感に満ちた表現をお楽しみください/西木政統

 主な出品作品
*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
 主な出品作品
*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
重要文化財 文殊菩薩坐像(文殊菩薩騎獅像および侍者立像のうち) 康円作 興福寺伝来 鎌倉時代・文永10年(1273)
重要文化財 善財童子立像(文殊菩薩騎獅像および侍者立像のうち) 康円作 興福寺伝来 鎌倉時代・文永10年(1273)
重要文化財 愛染明王坐像 康円作 鎌倉時代・文永12年(1275) 京都・神護寺蔵
重要文化財 菩薩立像 鎌倉時代・13世紀
文殊菩薩立像 鎌倉時代・13世紀
 

関連事業

平成館 大講堂  2017年10月1日(日)   13:30~15:00 *開場は13:00を予定   当日受付
<一般向けプログラム>   記念講演会「運慶展 最新調査報告」
平成館 大講堂  2017年10月28日(土)   13:30~15:00 *開場は13:00を予定   当日受付
平成館 大講堂  2017年10月31日(火)   14:00 ~ 14:30   当日受付

関連展示

興福寺中金堂再建記念特別展「運慶」 平成館 特別展示室 2017年9月26日(火)~2017年11月26日(日)