本館 19室
2017年4月18日(火) ~ 2018年8月5日(日)
原品の「紅型衣装 白木綿地牡丹模様」は、白地に牡丹の花・蕾・葉を密に染め出した作品です。複雑な模様構成や鮮やかな色使いには、19世紀の沖縄・琉球王朝下に花開いた染色技術の粋が尽くされています。この精緻な花びらや葉の形を染め出す技術とは、また、鮮やかな発色を可能にするメカニズムとは、どのようなものなのでしょうか?
この度の展示は、これらの疑問に模作の制作を通して迫ろうとする試みです。
制作にあたっては、琉球王朝時代から続く紅型宗家の一つである「城間びんがた工房」への取材を通して、伝統的な技法の指針を得ました。その一方で、色使いについては、原作をつぶさに観察した上で、現在手に入る顔料を用いた再現に挑戦しました。
この展示を通して、人の手からひとつひとつの工程を経て生み出される「もの」の存在を身近に感じていただければ幸いです。
制作:東京藝術大学大学院インターンシップ調査研究班
※制作した東京藝術大学大学院インターンによるワークショップやギャラリートーク等も予定しています。