平成館 企画展示室
2016年11月15日(火) ~ 2016年12月23日(金・祝)
日本列島の南方に広がる南太平洋には大小数万の島々が点在し、これらの地域をオセアニアと称します。オセアニアは、パラオやグアム島などがあるミクロネシア、ハワイやニュージーランドなどがあるポリネシア、ニューギニア島やビスマルク諸島があるメラネシアなどから構成され、これにオーストラリアなどを含めることもあります。現在から約4000年前、アジアに起源をもつ人々が海を越えて太平洋に拡散し、各地で独自の生活文化を発展させました。東京国立博物館には、おもに19世紀から20世紀にかけて、南太平洋の島々から将来された数多くの民族資料があります。当時の南太平洋では、伝統的な暮らしと信仰が近代文明の影響を受けて急激に変わりつつありました。そのため、当館の所蔵品のなかには、すでに現地では見られなくなった貴重なものもあります。
本特集では、当館が所蔵する南太平洋の民族資料のなかから、伝統的な生活や儀式にかかわる器物・衣類・建築模型などを展示することで、日本とは海を通じて隣接していながらあまり知られていない南太平洋の伝統的生活文化の一端を紹介します。また本特集では、通常はオセアニアに含まれない台湾の民族資料についても南太平洋の島々のものと比較するために展示します。