平成館 考古展示室
2016年11月1日(火) ~ 2017年3月5日(日)
岡山県・鳥取県は古代においては吉備(きび)および伯耆(ほうき)・因幡(いなば)と呼ばれました。両県は中国地方の東半分を占め、中国山地を挟んで南北に隣接しており、それぞれ瀬戸内海・日本海に面しています。また、弥生時代以来、九州地方や大陸から近畿地方以東へ新しい文化が伝わる際の沿岸のルートとして幅広い地域と交流してきました。
とくに1970年代以降の研究で、弥生時代後期後半に出現した吉備・伯耆因幡地方を中心とした日本海側と瀬戸内側の墳丘墓が近畿地方における古墳文化の成立に大きな影響を与えていたことが明らかにされました。墳丘墓の斜面に貼られた特徴的な「貼石(はりいし)」や円筒形の大きな「特殊器台形土器」が、のちに古墳で用いられた葺石(ふきいし)や埴輪(はにわ)の起源となったことなどが知られています。また、古墳時代後半期には、近畿や九州地方の影響を受けながらも独自の古墳文化が育まれました。
この特集では平成28年度考古相互貸借事業によって、吉備・伯耆因幡地方の特色ある古墳文化を岡山県立博物館・鳥取県立博物館の所蔵品を中心にご紹介します。