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中国書画精華―日本における受容と発展―

  • 『国宝 無隠元晦あて法語(部分) 馮子振筆中国 元時代・14世紀 松平直亮氏寄贈』の画像

    国宝 無隠元晦あて法語(部分) 馮子振筆中国 元時代・14世紀 松平直亮氏寄贈

    東洋館 8室
    2015年9月8日(火) ~ 2015年11月29日(日)

    今年も、秋の中国美術の名品展として「中国書画精華」を開催します。わが国に古くから舶載(はくさい)された中国の書画は、日本美術にも大きな影響を与えてきました。特に、宋元時代の書画は、鎌倉時代以降、禅宗とともに数多く伝えられ、書院や茶室において、日本の趣味にもとづく新たな鑑賞法のもとに親しまれてきました。

    例えば、南宋時代に宮廷で活躍した梁楷(りょうかい)の絵画は、中国に伝存する作例がほとんどありませんが、わが国では唐絵(からえ)の中でも最上と評され、大切にされてきました。出山釈迦図(しゅっさんしゃかず)を中心に、左右に雪景山水図を配する国宝の三幅対には、足利義満の印が押され、贅を尽くした表具に仕立てられています。

    また明治以降、新たに中国本来の文人趣味を理想とする優れた収集家によって、中国伝世の歴代書画の精品が、少なからず日本に伝えられました。それらは、中国の書画の神髄を示すものといえます。今回は中国の名品がいつごろ日本に伝えられ、どのような影響を与えてきたのか、日本における受容と発展に注目しながら、名品の尽きせぬ魅力をご紹介いたします。

     

    担当研究員の一言

    取り合わせの妙を楽しむ日本での積極的な鑑賞法は、実に興味深いものがあります。/富田淳

 主な出品作品
*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
 主な出品作品
*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
重要文化財 寒江独釣図 伝馬遠筆 中国 南宋時代・13世紀(2015年10月25日まで展示)
重要文化財 猿図 伝毛松筆 中国 南宋時代・13世紀(2015年10月27日から展示)
国宝 出山釈迦図 梁楷筆 中国 南宋時代・13世紀(2015年10月27日から展示)
国宝 雪景山水図 梁楷筆 中国 南宋時代・13世紀(2015年10月27日から展示)
雑画冊 陳鴻寿筆 中国 清時代・嘉慶22年(1817) 青山慶示氏寄贈(2015年10月25日まで展示)
張氏通波阡表巻 楊維楨筆 中国 元時代・至正25年(1365) 青山杉雨氏寄贈
楷書玄妙観重脩三門記巻 趙孟頫筆 中国 元時代・14世紀
国宝 無隠元晦あて法語 馮子振筆 中国 元時代・14世紀 松平直亮氏寄贈
 
 

東京国立博物館ニュース8・9月号に掲載の本特集の掲載内容に一部変更があります。
お詫びして訂正いたします。

展示作品

【誤】国宝 雪景山水図 伝梁楷筆 中国 南宋時代~元時代・13~14世紀
【正】雪景山水図(原本:伝梁楷筆 中国 南宋時代~元時代・13~14世紀)狩野養信模写 江戸時代・19世紀

展示期間

国宝 雪景山水図 梁楷筆 中国 南宋時代・13世紀
国宝 出山釈迦図 梁楷筆 中国 南宋時代・13世紀
雪景山水図(原本:伝梁楷筆 中国 南宋時代~元時代・13~14世紀)狩野養信模写 江戸時代・19世紀

【誤】9月8日(火)~10月25日(日)
【正】10月27日(火)~11月29日(日)

上記3幅は「博物館でアジアの旅」期間中には展示されません。

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