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親と子のギャラリー ミイラとエジプトの神々

  • 『パシェリエンプタハのミイラ(部分) エジプト、テーベ出土 第3中間期(第22王朝)・前945~前730年頃 エジプト考古庁寄贈』の画像

    パシェリエンプタハのミイラ(部分) エジプト、テーベ出土 第3中間期(第22王朝)・前945~前730年頃 エジプト考古庁寄贈

    東洋館 3室
    2015年7月22日(水) ~ 2015年9月13日(日)

    トーハクを訪れるみなさんの多くが、不思議な魅力にひかれて見にくる、古代エジプトのミイラ。ミイラを目の前にすると、いろんな疑問がわいてきます。どうして、古代のエジプト人たちは死んだからだをミイラにしたのでしょう。ミイラと一緒にお墓に納められたものをじっくり見ていくと、当時の人びとが考えていた死後の世界が浮かび上がってきます。はたして、古代エジプト人にも、天国のようなあの世の世界があったのでしょうか。

    死者の国の王、オシリスをはじめ、エジプトの神話に登場するさまざまな神々は、古代エジプトの自然の恵みと文明をつかさどると信じられてきました。中には、動物や鳥など、独特の姿で表わされた神もいます。それはなぜでしょう。

    ナイル川の恵みを受け、豊かな文明を築き上げた古代エジプト。そこで信じられてきた神々と死後の世界をご案内します。
     

    担当研究員の一言

    古代エジプトのミイラがいつでも展示されているのは、日本ではトーハクだけ!なぜ、古代エジプト人はミイラをつくったのか、その秘密を探りに来てね!/小山弓弦葉

 主な出品作品
*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
 主な出品作品
*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
イニ像浮彫 エジプト、サッカーラ出土 古王国時代(第6王朝ペピ2世治世頃)・前2254年~前2194年頃
パディインヘルのミイラの包み布 下エジプト出土 ローマ時代・1世紀頃
パシェリエンプタハのミイラ エジプト、テーベ出土 第3中間期(第22王朝)・前945~前730年頃 エジプト考古庁寄贈

 

みどころ ~「トーハク」でエジプト探検~

第1章 古代エジプトでは、死んだらどうなる?

死んだからだを腐らせることなく永遠に保存しようと、長い時間と手間をかけて古代エジプト人がつくったものがミイラです。その理由は、死んだ魂は死者の国へと向かい、最終的にはもとのからだに戻って「イアルの野」と呼ばれる楽園で、生前と同じような生活を送ると信じられていたためでした。魂が再び帰る場所として、生きていた時と同じからだがどうしても必要だったのですね。死者はどのようにして死者の国へ向かうのか、「イアルの野」ではどのような生活を送るのか、お墓に納められたさまざまなものを通してみていくことにしましょう。

 

ミイラのつくり方

古代ギリシャの歴史家ヘロドトスが書いた『歴史』という本によると、エジプトのミイラのつくり方には3つのランクがあったようです。ミイラができるまで、約70日もかかり、ミイラつくりの職人もいました。 ここでは一番高価な方法をご紹介します。


アメン神官のウシャブティ 末期王朝時代時代・前664~前332年 エジプト出土 百瀬治・富美子氏寄贈

1、死者の内臓や脳を取り出し、ナトロンという鉱物を使ってからだや内臓を乾燥させます。
※ ナトロン:ナイルの河原でとれた、炭酸ナトリウム(炭酸ソーダ)を主成分とした天然鉱物です。水分を吸収する働きがあります。

2、特に重要だと考えられていた心臓を、からだのなかに戻します。その他の内臓はカノポスという壺に入れてお墓に納められました。脳は大事なものだとは思われていなかったらしく、捨てられました。

3、乾燥して縮んだからだには、つめものをし、生きていたころのからだと同じくらいの大きさにしてから、長い亜麻布(あまぬの)を何重にも巻いて、棺に納められました。ウジャトの眼のお守りやウシャブティという身代わり人形を一緒に棺に納めることもありました。


 

 

第2章 古代エジプトでは、動物も神さまだった!?


セクメト女神像 新王国時代(第18王朝アメンヘテプ3世治世)・前1388年~前1350年頃 エジプト テーベ出土

ここに展示している像は、すべて古代エジプトで信仰されていた神さまです。イシス女神やアメン神のように、人間の姿をした神さまもいますが、その多くは、ネコや魚、鳥やライオン、カバなど、エジプトにいた動物たちの姿で表わされました。古代エジプトでは、大自然の中に生きる動物たちは、人間にはない素晴らしい能力を備えた神聖な存在でした。個性的な姿をしたエジプトの神々もまた、「芸術」や「知恵」「豊穣(ほうじょう)」「子宝」などをつかさどる特別な力を持っていました。その力を動物の姿によって象徴的に表わしているのです。

  
写真左上:トト神像 プトレマイオス朝時代・前323年~前30年頃 エジプト トゥーナ・エル・ゲベル出土 エジプト文化情報省寄贈
写真右上:バステト女神像 末期王朝時代後半~プトレマイオス朝時代初頭・前5世紀~前4世紀頃 エジプト出土 百瀬治・富美子氏寄贈

 

ワークシート

古代(こだい)エジプトでは死んだらどうなる?表面
古代(こだい)エジプトでは死んだらどうなる?裏面
古代エジプトでは死んだらどうなる?

会期中、
東洋館1階エントランス
、2階展示室(3室)、地下1階ミュージアムシアター等にて無料配布しています。
※なくなり次第、配布は終了します。

4つのミステリーをといて、答え合わせステーションへ!回答欄を特設マシンにかざすと不思議なことが起きます。「さいごの暗号」をゲットしたら、ミニプレゼントがもらえるよ!

PDFPDF, 14.1MB)

 

関連書籍

東京国立博物館コレクションの保存と修理
学習絵本「トーハクのミイラ」

発行:東京国立博物館
定価:600円(税込)
B5版32ページカラー

本展示にあわせて、小学校高学年以上のお子様を対象とした学習絵本を作りました。ミイラがなぜ作られたのかなどミイラの秘密を、古代エジプトの神様や死後の世界などと一緒に学びます。暗号のような古代エジプトの「神聖文字(ヒエログリフ)」の50音表も付録。
ミュージアムショップにて販売中。

 

 

質問大募集!子ども質問箱「教えて!エジプトのひみつ」
親と子のギャラリー「ミイラとエジプトの神々」(7月22日~9月13日)の展示作品を中心に、古代のエジプトに関する子どもたちの「なぜ?どうして?」について、質問を募集します。採用された質問は、8月29日(土)の月例講演会『子ども質問箱「教えて!エジプトのひみつ」』で当館の研究員がお答えします。
応募期間: 2015年7月22日(水) ~ 2015年8月23日(日)
応募方法: 
(1) 展示会場で応募:所定の質問用紙に、質問と必要事項を記入し、親と子のギャラリー会場(東洋館3室)内に設置してある質問箱に入れて下さい。
(2) WEBで応募:申込フォームから応募してください。
(3) はがきで応募:はがき裏面に質問事項と住所、氏名、学年、電話番号、メールアドレスを記入し、下記の宛先までお申込ください。
〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9 東京国立博物館 教育講座室「教えて!エジプトのひみつ」係

※ 質問は中学生以下対象。
※ 1回の申込みで質問はお一人につき1つでお願いします。
応募〆切: 8月23日(日)必着

 

関連事業

2015年8月22日(土)   18:00~20:00 *集合17:30   受付終了
東洋館 TNM & TOPPAN ミュージアムシアター  2015年7月8日(水) ~ 2015年10月12日(月・祝) (毎週 水・木・金・土・日・祝)   【水・木・金】12:00、13:00、14:00、15:00、16:00
【土・日・祝休日】11:00、12:00、13:00、14:00、15:00、16:00
※受付締切は各上映時間15分前    当日受付
平成館 大講堂  2015年8月29日(土)   13:30~14:30 *開場は13:00を予定   当日受付

関連展示・関連リンク

<平成館-特別展示室>   クレオパトラとエジプトの王妃展   2015年7月11日(土) ~ 2015年9月23日(水・祝)
<東洋館-3室>   西アジア・エジプトの美術   2015年7月22日(水) ~ 2015年9月13日(日)