このページの本文へ移動

日本の仮面 舞楽面と行道面

  • 『舞楽面 採桑老 南北朝時代・14世紀』の画像

    舞楽面 採桑老 南北朝時代・14世紀

    本館 14室
    2013年6月4日(火) ~ 2013年8月25日(日)

    仮面はそれを着けることによって変身する道具で、世界でさまざまな形のものが作られました。しかし日本ほど古い仮面が数多く残っている国はないでしょう。寺院、神社など信仰の場、五穀豊穣等を祈る祭り、人々の心を癒(いや)す芸能など様々な場面で用いられたため、全国に分布し、大切に保存、活用されて来ました。

    ここでは平安時代から南北朝時代に作られた仮面を展示します。

    舞楽面は平安時代以降盛んになった舞楽で用いられた仮面です。中国、朝鮮、ベトナム等から伝来した音楽、舞踊が宮廷でまとめられ、各地の社寺に伝わったので、洗練された荘重な動きが特色です。

    行道面は堂の周囲を練り歩く十二天、二十八部衆や、阿弥陀如来に伴って二十五菩薩が来迎する様子を演じる来迎会(らいごうえ)などに用いられた仮面です。来迎会は今も奈良の當麻寺や東京都世田谷区の九品仏浄真寺などで行なわれています。

    追儺面(ついなめん)は節分に行なわれる追儺会(ついなえ)で用いられました。「豆まき」の時に着ける鬼のお面です。

    多彩な表情、目、鼻、顎などが動く工夫、彫刻的な魅力に注目してご覧ください。

    法隆寺宝物館の伎楽面(7月23日から8月18日まで公開)もあわせてご覧ください。

     

    担当研究員の一言

    地久の顔は凹凸が少ない点、蒙古襞(目頭で上瞼が下瞼にかぶさる)がある点などモンゴロイドの特色を備えています。東アジアか東南アジアの人なのです。/浅見龍介

 主な出品作品
*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
重要文化財 舞楽面 地久 平安時代・長久3年(1042) 奈良・手向山八幡宮蔵
重要文化財 舞楽面 二ノ舞(腫面) 平安時代・治承2年(1178) 愛知・熱田神宮蔵
重要文化財 舞楽面 崑崙八仙 平安時代・長久3年(1042) 奈良・手向山八幡宮蔵
重要文化財 舞楽面 童舞 鎌倉時代・承元5年(1211) 愛知・真清田神社蔵
重要文化財 行道面 菩薩 鎌倉時代・13~14世紀 石川・重蔵神社蔵
追儺面 鬼 鎌倉時代・14世紀 山形・慈光明院蔵