本館 14室
2012年7月31日(火) ~ 2012年9月17日(月・祝)
ここに展示した二体の大日如来像は、作風、構造、像内納入品の種類と納入方法等に共通するところが多く、ともに鎌倉時代初頭の仏師運慶の作と推測されています。光得寺像の台座(獅子四体を含む)、光背、厨子とその内部に付された三十七体の雲に乗る小さな仏の群像も同時期のものです。真如苑像も同様の荘厳(しょうごん)がされていたのでしょう。今回は真如苑像を全方向から見ることのできるケースに展示しました。正面だけでなく、側面、背面のどの角度から見ても頭髪、姿勢、からだの肉付き、衣の襞(ひだ)の写実的な表現がみごとです。日本美術史上最高の彫刻家の一人である運慶の力量が示されています。
康円は運慶の孫。ここに展示した文殊菩薩と4人の侍者像は彼の代表作です。こじんまりとして、運慶世代に見られる気宇の大きさはないのですが、獅子に見られる力強さや写実的表現は運慶から引き継いだものです。そして台座、光背など工芸的な美しさが特色です。今回はそれらを間近で観察できるように展示しました。じっくりご覧ください。