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東京国立博物館140周年特集陳列 歴史資料 九鬼隆一と帝国博物館―臨時全国宝物調査の展開

  • 『扇面古写経(模本) 小堀鞆音、寺崎広業模 明治29年(1896)頃、原本=国宝 大阪・四天王寺ほか所蔵 平安時代・12世紀』の画像

    扇面古写経(模本) 小堀鞆音、寺崎広業模 明治29年(1896)頃、原本=国宝 大阪・四天王寺ほか所蔵 平安時代・12世紀

    本館 16室
    2012年5月22日(火) ~ 2012年7月16日(月・祝)

    九鬼隆一(1852-1931)は播磨・三田(さんだ)藩の武士の家に生まれ、維新後文部省に勤めて、欧州留学やパリ万国博覧会の出展などを通じ教育・文化行政に知見を深めました。明治21年(1888)に宮内省に移り、新設の臨時全国宝物取調局委員長として、政府による全国に及ぶ大規模な文化財調査を主導しました。続いて、初代帝国博物館総長に就任し、近代国家にふさわしい文化財の殿堂としての博物館の振興に力を尽くしました。さらに全国調査の成果をもとに、文化財保護法制の整備に努め、明治30年(1897)の「古社寺保存法」制定に深く関わりました。

    この展示では、九鬼の仕事を館史資料で跡付けます。特に明治30年に宮内省より帝国博物館に移管された臨時全国宝物調査が、館内においてどのように実施されたのかを、残された資料と後年博物館に寄贈された作品とを照合させながら紹介します。また、その時代の博物館の情景の復元も試みます。

     

 主な出品作品
*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
扇面古写経(模本) 小堀鞆音、寺崎広業模 明治29年(1896)頃、原本=国宝 大阪・四天王寺ほか所蔵 平安時代・12世紀
美術部列品編入方針案草稿 岡倉天心筆 明治時代・19世紀