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おひなさまと日本の人形

  • 『台付きからくり 輪舞人形 茗荷屋半左衛門作 江戸時代・正徳3年(1713)』の画像

    台付きからくり 輪舞人形 茗荷屋半左衛門作 江戸時代・正徳3年(1713)

    本館 14室
    2012年2月7日(火) ~ 2012年3月4日(日)

    3月3日は桃の節句と呼ばれ、女の子の健やかな成長を祈る雛祭り(ひなまつり)です。雛祭りに人形を飾ってお祝いする行事がいつ頃から始まったのかはわかりませんが、江戸時代には年中行事となっていたようです。貞享年間(1684~88)の『江戸鹿子(えどかのこ)』によれば中橋・尾張町一丁目・十軒店(じっけんだな)・人形町・麹町四丁目などで雛市(ひないち)が立ったといいます。

    江戸時代前期は紙製の立雛(たちびな)が主流でしたが、江戸時代中期以降は、彩り鮮やかな裂(きれ)を縫い合わせた衣装を着た坐り雛(すわりびな)が飾られるようになりました。室町時代の風俗を写したといわれる室町雛、重ねられた錦が華やかな享保雛(きょうほうびな)、関西で人気の丸顔の次郎左衛門雛(じろうざえもんびな)、江戸好みの面長な顔立ちの古今雛(こきんびな)などです。今では、雛壇には一対の内裏雛と三人官女、右大臣・左大臣に白丁、五人囃子を飾ることが通例ですが、江戸時代後期の雛壇には、いくつものお内裏さまやお雛さまを飾ったり、京都の御所人形や加茂人形、地方色豊かな郷土の人形なども一緒に並べたりして、とてもにぎやかでした。また、内部に動くようにしかけを入れたからくり人形や嵯峨人形なども日本の人形のユニークな一面を伝えます。繊細な細工が施された人形や雛道具には、ミニチュアをいつくしむ日本人の国民性があらわれています。
     

 主な出品作品
*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
古今雛 江戸時代・19世紀
台付きからくり 輪舞人形 茗荷屋半左衛門作 江戸時代・正徳3年(1713)

 

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