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日本の仮面

  • 『重要文化財 舞楽面 崑崙八仙 平安時代・長久3年(1042) 奈良・手向山八幡宮蔵』の画像

    重要文化財 舞楽面 崑崙八仙 平安時代・長久3年(1042) 奈良・手向山八幡宮蔵

    本館 14室
    2011年12月6日(火) ~ 2012年2月5日(日)

    仮面はそれを着けることによって変身する道具で、世界でさまざまな形のものが作られました。ここでは縄文時代から江戸時代に作られた日本の仮面を展示しました。

    縄文時代の土面は顔より小ぶりのものもあり、その用途は必ずしも着用するためだけではなさそうです。墓の上に柱を立て、そこに付けていた可能性も考えられています。

    飛鳥時代から奈良時代にかけて盛んに作られた伎楽面(ぎがくめん)は法隆寺宝物館でご覧下さい(年3回各1ヵ月公開、現在閉室中)。
    平安時代から鎌倉時代には舞楽面(ぶがくめん)・行道面(ぎょうどうめん)が数多く作られました。舞楽は社寺の儀式、法会の際に行なわれたので、その遺品は全国に分布します。行道面は神輿(しんよ)を囲んで練り歩く神々や二十五菩薩が来迎する様子を演じる来迎会(らいごうえ)などに用いられた仮面です。

    南北朝時代から室町時代に世阿弥(ぜあみ)が集大成した能楽の面は、日本独自のもので、感情をあらわにしない点に特徴があります。感情を抑えることは日本では美徳とされますが、外国では不思議に思われるようです。一方、狂言面は滑稽な筋書きにふさわしい、ユニークな表情が特色です。

    日本ほど古い仮面が数多く残っている国はないでしょう。信仰の場、五穀豊穣を祈る祭り、人々の心を癒す芸能など様々な場面で用いられた仮面からは昔の人々の思いが想像できます。

    担当研究員の一言

    皆さんご存知のとおり、仮面は顔に着けて使うものです。展示室にモニターを設置して、陳列した仮面が実際にどのように使われるか、映像でご覧いただきます。舞台の上で仮面は生命を得るということをご理解いただけると思います。/浅見龍介

 主な出品作品
*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
土面 長野県松本市波田上波田出土 縄文時代(後期)・前2000~前1000年 徳川頼貞氏寄贈
重要文化財 舞楽面 崑崙八仙 平安時代・長久3年(1042) 奈良・手向山八幡宮蔵
行道面 五部浄居天  高野山天野社伝来  鎌倉時代・13~14世紀
追儺面 鬼 鎌倉時代・14世紀  山形・慈光明院蔵
能面 万媚  安土桃山~江戸時代・16~17世紀
狂言面 狐 江戸時代・17~18世紀 個人蔵