本館 14室
2011年12月6日(火) ~ 2012年2月5日(日)
仮面はそれを着けることによって変身する道具で、世界でさまざまな形のものが作られました。ここでは縄文時代から江戸時代に作られた日本の仮面を展示しました。
縄文時代の土面は顔より小ぶりのものもあり、その用途は必ずしも着用するためだけではなさそうです。墓の上に柱を立て、そこに付けていた可能性も考えられています。
飛鳥時代から奈良時代にかけて盛んに作られた伎楽面(ぎがくめん)は法隆寺宝物館でご覧下さい(年3回各1ヵ月公開、現在閉室中)。
平安時代から鎌倉時代には舞楽面(ぶがくめん)・行道面(ぎょうどうめん)が数多く作られました。舞楽は社寺の儀式、法会の際に行なわれたので、その遺品は全国に分布します。行道面は神輿(しんよ)を囲んで練り歩く神々や二十五菩薩が来迎する様子を演じる来迎会(らいごうえ)などに用いられた仮面です。
南北朝時代から室町時代に世阿弥(ぜあみ)が集大成した能楽の面は、日本独自のもので、感情をあらわにしない点に特徴があります。感情を抑えることは日本では美徳とされますが、外国では不思議に思われるようです。一方、狂言面は滑稽な筋書きにふさわしい、ユニークな表情が特色です。
日本ほど古い仮面が数多く残っている国はないでしょう。信仰の場、五穀豊穣を祈る祭り、人々の心を癒す芸能など様々な場面で用いられた仮面からは昔の人々の思いが想像できます。