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室町時代の舞楽

  • 『重要文化財 裲襠 紺地牡丹二重唐草模様金襴 南北朝時代・14世紀 高野山天野社伝来 (2011年9月4日(日)まで展示)』の画像

    重要文化財 裲襠 紺地牡丹二重唐草模様金襴 南北朝時代・14世紀 高野山天野社伝来 (2011年9月4日(日)まで展示)

    本館 9室
    2011年8月9日(火) ~ 2011年10月10日(月・祝)

    舞を伴う外来雅楽である舞楽が中国や朝鮮から日本に伝えられたのは、古く奈良時代のことです。平安時代には宮廷の饗宴(きょうえん)用として日本で発展を遂げた舞楽ですが、その時代の舞楽面や装束はほとんど遺されていません。中世になると寺社の儀式の中で舞楽の奉納が行われるようになり、鎌倉時代から室町時代にかけて用いられた面・装束類が伝えられました。

    特に、弘法大師が高野山で勧請(かんしょう)した和歌山・天野社に伝わる舞楽面、舞楽装束、天冠などは、鎌倉時代より続けられてきた一切経会(いっさいきょうえ)という仏教の法会に用いられたものとして知られています。縫い締め絞りによる鮮やかな藍染(あいぞめ)や、模様を彫り出した板に裂を挟み、強く縛って染料に浸した板締(いたじめ)で染め出した総模様の衣装は中世独特のものです。鎌倉~室町時代には一般的に用いられていた蛮絵(ばんえ)と称される木版による墨摺絵(すみずりえ)も、江戸時代以降は刺繍へとより華やかな傾向へ変わっていきました。そのほか、錦や刺繍にも中世に特徴的な技法が見られます。

    近世に様式化され現代に遺された伝統とは異なる、中世的な舞楽の意匠表現をご覧ください。

     

    担当研究員の一言

    現在行われている舞楽の装束はそのほとんどが江戸時代以降に様式化されたものです。室町時代の舞楽装束の多様性をご覧ください。前期(~9月4日)と後期(9月6日~10月10日)で展示替をしますので、いずれもお見逃しなく・・・。10月1日(土)13:30からは平成館大講堂で「室町時代の舞楽装束」の月例講演会もあります(聴講は無料)。/小山弓弦葉

 主な出品作品
*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
重要文化財 半臂 亀甲花菱模様 室町時代・15世紀 高野山天野社伝来 (文化庁蔵、2011年9月4日(日)まで展示)
重要文化財 裲襠 紺地牡丹二重唐草模様金襴 南北朝時代・14世紀 高野山天野社伝来 (2011年9月4日(日)まで展示)

関連事業

<講演会・講座>   室町時代の舞楽装束
平成館 大講堂  2011年10月1日(土)   13:30 ~ 15:00   当日受付