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特集陳列 古墳時代の人々─人物埴輪の表情と所作─

  • 『埴輪 琴を弾く男子 栃木県真岡市 鶏塚古墳出土 古墳時代・6世紀 大塚尚平氏寄贈』の画像

    埴輪 琴を弾く男子 栃木県真岡市 鶏塚古墳出土 古墳時代・6世紀 大塚尚平氏寄贈

    平成館 考古展示室
    2011年3月15日(火) ~ 2011年7月31日(日)

      埴輪は古墳時代の初めから作られた墓専用の造形物です。初期には円筒形や壺形・家形・鳥形など、種類は限られたものでした。その後、首長の所有物としての器財埴輪(靱・盾・大刀・甲冑・船など)が登場しましたが、人物や動物(鳥を除く)は登場していません。

     ところが、古墳時代中ごろ(5世紀中葉)の近畿地方で馬や犬・猪形などの動物埴輪が作られるようになり、前後して人物埴輪が登場し全国各地に広がりまし た。とくに、関東地方では、6世紀後半頃の大型古墳から小古墳まで、各地で多数の形象埴輪が発見されています。人物埴輪は、服装や髪型で性別やさまざまな 職掌(仕事・役割)が表現されました。また、全身像と半身像があり、埴輪群での位置づけによって造り分けられていたと考えられます。

     東京国立博物館には多数の人物埴輪が収蔵されていますが、大多数は破片や一部が欠落しており、完全な形として残っているのは少数派です。しかし、楽器を 奏でる人物、特徴的な服装の人物、入れ墨のある顔、武装の男子像、袈裟状衣の女子像など多種多彩な人物像があり、なかには造形的に極めて優れたものも少な くありません。

 主な出品作品

*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
埴輪 あごひげの男子頭部 茨城県潮来市大字大賀字棒山出土 古墳時代・6世紀 原辰太郎氏寄贈
埴輪 笠を被る男子頭部 玉県熊谷市野原字宮脇 野原古墳出土 古墳時代・6世紀
埴輪 琴を弾く男子 栃木県真岡市 鶏塚古墳出土 古墳時代・6世紀 大塚尚平氏寄贈
埴輪 頭部に箱を載せる女子 栃木県真岡市 鶏塚古墳出土 古墳時代・6世紀 佐藤行哉氏寄贈
埴輪 袈裟状衣の女子 奈良県磯城郡三宅町石見出土 古墳時代・6世紀