国宝 平治物語絵巻 六波羅行幸巻(部分) 鎌倉時代・13世紀 松平直亮氏寄贈
本館 2室
2021年7月13日(火) ~ 2021年8月1日(日)
平安時代末期の平治元年(1159)、政治の実権をめぐる藤原通憲(ふじわらのみちのり、信西(しんぜい))と藤原信頼(ふじわらののぶより)の争いが、平清盛(たいらのきよもり)と源義朝(みなもとのよしとも)の武力抗争に発展した平治の乱を描いた合戦絵巻です。
「平治物語絵巻」は現在、三条殿夜討巻(さんじょうどのようちのまき、ボストン美術館蔵)、信西巻(静嘉堂文庫美術館蔵)、そしてこの六波羅行幸巻の三巻と、断簡十数葉が残されています。六波羅行幸巻は、源氏方に幽閉された二条天皇(にじょうてんのう)が女房の姿で内裏をひそかに脱出し、清盛の六波羅邸へ迎え取られる場面を全四段に描きます。
菱形をはじめとする様々な群像で武士団をとらえる構図。均直な屋台線。表情豊かな登場人物たち。どこを見てもため息が出るようなその技量は、当時最高の絵師集団によってこの絵巻が作られたことを物語っています。
詞書を見てみると、随所に波打ったような文字が散見されます。この特徴的な「震え筆」は弘誓院教家(ぐぜいいんのりいえ、1194~1255)晩年の筆跡と考えられ、この絵巻の制作も13世紀半ば頃と想定されています。
指定 | 名称 | 員数 | 作者・出土・伝来 | 時代・年代世紀 | 所蔵者・寄贈者・列品番号 | 備考 | |
おすすめ | 国宝 | 平治物語絵巻 六波羅行幸巻 | 1巻 | 鎌倉時代・13世紀 | 松平直亮氏寄贈 A-9976 |