国宝 寛平御時后宮歌合(部分) 伝宗尊親王筆 平安時代・11世紀
本館 2室
2021年6月15日(火) ~ 2021年7月11日(日)
寛平御時后宮歌合は、宇多天皇(うだてんのう、867~931)の母后・班子女王(はんしじょおう)が、平安時代・寛平年間(889~98)に催した歌合(うたあわせ)です。歌合とは、歌人が左右に分かれて、同じ題の和歌を詠み、その優劣を競い合う催しです。この寛平の歌合は、紀貫之(きのつらゆき)など有名な歌人も名を連ねており、その和歌は『新撰万葉集(しんせんまんようしゅう)』に収められました。
この作品は、平安時代に、関白の藤原頼通(ふじわらのよりみち、992~1074)が編纂させた「十巻本歌合」の一部です。朱や墨の加筆や訂正がたくさんあるため、清書本ではなく草稿本と考えられています。もとは近衞家(このえけ)に伝わり、現在は、近衞家(陽明文庫)、前田育徳会など、諸家に分蔵されています。
「十巻本歌合」は10数人による寄合い書きで、平安時代の仮名の最高峰である「高野切(こうやぎれ)」と同筆の書もあるため、両者はほぼ同時期の作と考えられます。洗練された優美な仮名で書写されていることから、現代でも書の手本として用いられています。完成された仮名とその連綿(れんめん)の美をご堪能ください。
指定 | 名称 | 員数 | 作者・出土・伝来 | 時代・年代世紀 | 所蔵者・寄贈者・列品番号 | 備考 | |
おすすめ | 国宝 | 寛平御時后宮歌合 | 1巻 | 伝宗尊親王筆 | 平安時代・11世紀 | B-20 |