国宝 虚空蔵菩薩像(部分) 平安時代・12世紀
本館 2室
2021年3月16日(火) ~ 2021年4月11日(日)
虚空蔵菩薩は、主に密教系の経典に説かれている菩薩で、虚空(こくう)のように広大無辺な福徳と智恵を具えた菩薩であるとされています。その姿は経典ごとに少しずつ異なり、いくつもの種類が説かれています。日本では奈良時代から信仰されており、平安時代初期には彫像の作例も多く見られます。そのような中、この画像は虚空蔵菩薩の絵画の現存作例のうち最も古く最も優れた作例として知られています。
当時の仏画では輝きの表現には主に金が用いられましたが、この作品では銀がふんだんに使われ表現上の重要な要素となっているのが大きな特徴です。また、金の截金(きりかね)文様では色味の微妙な変化をつけたり、光背(こうはい)を広大な空間を感じさせる透明感のある描写にするなど、非常に繊細な表現がこの画像の特色となっています。
かなり高位の宮廷貴族が制作に関わっていることが考えられていますが、信仰史上の具体的な背景については現在諸説があり特定されていません。
指定 | 名称 | 員数 | 作者・出土・伝来 | 時代・年代世紀 | 所蔵者・寄贈者・列品番号 | 備考 | |
おすすめ | 国宝 | 虚空蔵菩薩像 | 1幅 | 平安時代・12世紀 | A-10498 |