中国の仏像
1階 1室
2020年6月24日(水) ~
2021年4月18日(日)
「東洋美術をめぐる旅」をコンセプトに、中国、朝鮮半島、東南アジア、西域、インド、エジプトなどの美術と工芸、考古遺物を展示しています。
1階 1室
2020年6月24日(水) ~ 2021年4月18日(日)
インドから中国に仏教が伝わったのは紀元前後頃とされます。その後、南北朝時代に入ると、国家的な規模で寺院の造営が行なわれるようになり、仏教は中国でも大いに隆盛しました。この展示では、中国彫刻の最盛期である南北朝時代から唐時代の仏像を中心に構成します。
2階 3室
2020年6月24日(水) ~ 2020年10月4日(日)
人類最古の文明揺籃の地として知られる、エジプトと西アジア、東地中海地域の古代美術と考古資料を中心に紹介します。エジプト美術では先王朝時代の石器や土器、王朝時代の浮彫、ミイラ、青銅製品などを展示します。東地中海地域と西アジアの美術では、キプロスの土器や彫像、シリア・イラクの出土品や土偶のほか、さまざまな技法で製作された古代ガラス器を展示。イスラーム時代の美術については、イランなどで製作された陶器を紹介します。
2階 3室
2020年6月24日(水) ~ 2021年6月27日(日)
北インドではクシャーン朝(1~3世紀)に仏教美術が隆盛となりました。1世紀頃にガンダーラ、マトゥラーにおいて相次いで仏像の制作が始まり、また、ガンダーラでは仏陀の生涯をつづった仏伝美術が盛んとなります。ここではクシャーン朝のガンダーラ美術を中心に、インドのヒンドゥー教美術などを紹介します。
2階 3室
2020年8月18日(火) ~ 2020年9月27日(日)
20世紀初頭にシルクロードを探検した大谷探検隊の将来品を中心に展示します。今回は、伝スバシ出土の舎利容器、ベゼクリク石窟の衆人奏楽図、ミーランの有翼人物像などをもとに、華やかなりしころのシルクロードの美術を紹介します。
3階 4室
2020年6月24日(水) ~ 2020年10月4日(日)
東洋館4室から5室にかけて、中国文明の形成と発展の過程を土器、玉器、出土文字資料、青銅器などの展示によってたどります。一連の中国文明関連の展示の冒頭を飾る「中国文明のはじまり」では、黄土高原に興った彩陶や中国北方の多彩な石器群のほか、殷時代の甲骨文字や玉器、各時代の瓦のほか、前漢菑川国ゆかりの封泥を紹介します。
3階 5室
2020年7月21日(火) ~ 2020年11月15日(日)
殷時代から漢時代にかけて展開した中国青銅器を中心に、先祖の祭礼に用いた容器や楽器のほか、武器や馬具を紹介します。また、銅鏡や中国西南部の古代青銅器を紹介します。さらに中央の曲面ケースでは、殷時代から清時代にいたる器物を通覧し、美意識の変化をよみときます。
3階 5室
2020年7月7日(火) ~ 2020年11月1日(日)
戦国時代以降、中国文明が成熟していくに従い、王侯貴族は土を丘のように盛った墳墓を営み、その地下には死者の生活を支える家財の模型(明器)や人形(俑)などを大量に供えるようになりました。
当館所蔵の中国陶磁の中核をなす、建築家横河民輔寄贈品を中心に紹介します。
3階 5室
2020年7月7日(火) ~ 2020年11月1日(日)
中国南北朝時代から清時代に至るおよそ1300年のあいだにつくられた陶磁器を紹介します。今回は建築家横河民輔寄贈品を中心に、バラエティに富んだ造形、装飾をそなえた各窯の作品を時代を追って展示します。
3階 5室
2020年8月12日(水) ~ 2020年11月1日(日)
今年度は、中国の絹織物の内、日本が「名物裂」として愛好した染織を「緞子」「金襴・銀襴」「間道・錦」の3つのテーマに分けて順次展示します。今回は、金時代に織られるようになり、元時代から明時代にかけて発達した「金襴・銀襴」を展示します。加賀藩前田家伝来の名物裂を中心に、日本における中国文化の受容を紹介します。
4階 7室
2020年6月24日(水) ~ 2021年4月4日(日)
後漢時代(1~2世紀)の中国山東省や河南省南部等では墓の上に祠(ほこら)を、地下には棺などを置く部屋である墓室を石で作りました。祠や墓室の壁、柱、梁などの表面には、先祖を祭るために当時の世界観、故事、生活の様子などを彫刻して飾りました。画像石と呼ばれるこれらの石刻画芸術は中国の様々な地域で流行しましたが、ここではとくに画題が豊富で優品の多い山東省の作品を一堂に集めて展示します。
4階 8室
2020年8月18日(火) ~ 2020年9月22日(火・祝)
仏教で礼拝の対象となった観音や羅漢(らかん)、禅の世界で愛された寒山(かんざん)・拾得(じっとく)、道教で信仰された寿老人や鍾馗(しょうき)など、仏・聖者・仙人・神を描いた絵画である、道釈(どうしゃく)人物画を展示します。
神や仏たちは、異形の姿や奇怪な容貌をとったり、不可思議な振る舞いをしたりすることで、内に秘められた超人的な力や優れた聖性を示してきました。その図像は、それぞれ個性的で変化に富んでいます。また、画家たちは、彩色法や墨の階調、筆線を工夫することで、みる人を惹きつけ、崇拝や畏敬の念を抱かせる作品を作ろうと努力を重ねてきました。
例えば、宋時代の観音や羅漢は、迫真的な肉体表現と人間味のある表情を特徴とします。彼らは複雑な色調で細緻な文様がほどこされた衣をまとい、壮麗(そうれい)で厳粛(げんしゅく)な雰囲気を伝えています。また、元時代には、顔輝(がんき)や蔡(さい)山(ざん)といった怪奇(かいき)趣味(しゅみ)の画家たちが活躍します。彼らは墨の濃淡や線の変化によって顔や手足のしわを誇張し、生々しい彩色を加えた、不気味な表現を得意としました。明から清時代にかけては、諧謔味(かいぎゃくみ)のある神仏の姿を軽やかな筆線でとらえた作品も多く描かれます。宋から清時代にかけてのさまざまな道釈人物画をお楽しみください。
4階 8室
2020年8月18日(火) ~ 2020年9月22日(火・祝)
歴代の中国で社会の中核を担った貴族や士大夫(したいふ)たちは、読書や詩文と同様に、教養として書を身につけていました。卓越した様式を築いた能書に限らず、高い精神性や優れた人格、諸方面の功績などが評価された人物の書もまた尊ばれました。
東晋時代の貴族であった王羲之(おうぎし)は、隷書から派生した草書や行書の表現を芸術の域にまで昇華させ、名声を博しました。唐(とうの)太宗(たいそう)の崇拝を背景に、石碑の文字に使われるほど王羲之の書法は規範化され、不動の地位を獲得したのです。一方、唐時代後半に、従来とは異なる美意識のもとに革新的な表現を創出したのが顔(がん)真(しん)卿(けい)です。主君と親に身を尽くした人格と相俟って、その書は北宋時代以降、高く評価されました。顔真卿を尊重した北宋時代の蔡(さい)襄(じょう)は酷似する字姿の書を残しています。歴代屈指の文人で、師弟の間柄であった蘇軾(そしょく)と黄庭(こうてい)堅(けん)もまた、顔真卿を信奉して影響を受けましたが、両者の書の趣は大きく異なっています。
書の巨匠や歴史上の偉人といったレジェンドの筆跡は、実に多彩です。筆者に思いを馳せていただきながら、その字姿をご堪能いただけますと幸いです。
4階 8室
2020年8月18日(火) ~ 2020年9月22日(火・祝)
宋時代以降の文化は、文人や学者の書斎を中心として育くまれてきたといえます。明時代以降、文人の文化は富裕な商人層にも浸透し、筆墨硯紙はもとより、書画を清玩する空間そのものにも、洗練された趣味が求められました。
5階 9室
2020年6月24日(水) ~ 2020年9月27日(日)
中国漆工は新石器時代にさかのぼる古い歴史をもち、その装飾技法として、塗り重ねた漆を彫刻する彫漆、貝殻を成形して器体に貼付する螺鈿、漆器に文様を彫って金箔を充填する鎗金、文様部に色漆を施して線彫りの輪郭をほどこす存星などがあります。その文様にも、山水・花鳥・楼閣人物といった絵画的文様や、唐草文が抽象的に発達した屈輪文のほか、黒漆や朱漆を塗るばかりで器形を美しく表現する無文漆器など多種多様なものがあります。今回は南宋時代の無文漆器、元時代から明時代までの彫漆の優品、清時代の漆器を紹介します。
5階 9室
2020年6月24日(水) ~ 2020年9月27日(日)
中国・清時代にはさまざまな材質・技法の工芸品がつくられました。それらはいずれも精緻な技巧と清雅な作風に特色があります。今回の展示では清時代につくられた各種の工芸の中から、漆工・玉・ガラス製の如意および俏色(しょうしょく)と称される玉作品を展示します。
5階 10室
2020年6月24日(水) ~ 2020年10月18日(日)
朝鮮半島の青銅器時代・初期鉄器時代の作品を中心に、朝鮮半島の考古資料を展示します。石製や青銅製の武器、高度な鋳造技術によって作られた獣文飾板などにより、朝鮮半島に有力者が成長していく様を示します。また、朝鮮半島北部に漢王朝が築いた楽浪郡の文化を紹介するケースとして、鏡・帯鉤などを展示します。また、冒頭に金冠を展示します。
5階 10室
2020年6月24日(水) ~ 2020年10月18日(日)
朝鮮半島の三国時代に、各地の有力者が覇を競った様を装身具・武器・馬具などを通じて概観します。青銅器時代に各地に生まれた有力者たちは、北の高句麗、西南の百済、東南の新羅、南の加耶諸国(~562年)という勢力にまとまり、それらは金・銀・銅・鉄・ガラス・ヒスイなどの素材を駆使し、それぞれに地域性豊かな装身具、武器、馬具、土器、瓦などを生産しました。今回は、王たちの武威を示す大刀や武具など、当館を代表する朝鮮考古資料を展示します。なお、中央ステージには高麗時代の重臣である崔忠献の墓誌を展示します。
5階 10室
2020年6月24日(水) ~ 2020年10月18日(日)
原三国時代から朝鮮時代までの陶磁史を概観します。朝鮮半島では原三国時代に楽浪の影響を受けて製陶技術が発達し、三国時代には各地で覇を競う有力者の成長と相俟って、地域ごとに多様な形態の土器が作られるようになりました。やがて高麗時代には中国の影響のもとに青磁の生産が始まり、独自の様式が完成しました。続く朝鮮時代になると粉青沙器や白磁など多様な陶磁器が焼かれるようになりました。今回の展示では、三国時代の諸地域の土器を比較するほか、対外交渉の一端が垣間見える耳杯等を紹介します。また高麗、朝鮮時代の陶磁器のコーナーでは建築家横河民輔寄贈品をとりあげます。
5階 10室
2020年6月24日(水) ~ 2020年10月11日(日)
朝鮮半島に仏教が伝わったのは、三国時代の4世紀から5世紀です。ここでは、主に三国時代から統一新羅、高麗時代の金銅仏、瓦磚、仏具を展示します。今回は三国時代の菩薩像半跏像、統一新羅時代の舎利容器、高麗時代の金鼓などから、各時代の仏教のありようを概観し、また高麗時代の銅鏡を紹介します。
5階 10室
2020年7月21日(火) ~ 2020年10月11日(日)
朝鮮王朝時代の両班階級の人々の生活文化を紹介します。壁面ケースでは人々の生活をいきいきと伝える風俗図(~8/23)、文人書画(8/25~)を展示します。立ちケースでは文人が愛用した文房具や、酒にまつわるやきもののうつわを紹介いたします。
地下 11室
2020年6月24日(水) ~ 2021年5月9日(日)
現在のカンボジアにおいて、9世紀初頭から600年余り続いたアンコール王朝の時代には、クメール族による独特の美術様式が完成しました。中でも11世紀末から12世紀にかけて造られたアンコール・ワットがその最盛期です。この部屋では10~13世紀にアンコールの寺院を飾った仏教およびヒンドゥー教の彫像、浮彫の建築装飾をはじめとする石造彫刻を展示します。いずれも第2次世界大戦中におこなわれた、フランス極東学院との交換品です。
地下 12室
2020年6月24日(水) ~ 2021年5月9日(日)
インドシナ半島やインドネシアでは、古代よりインドの影響を受けて仏教やヒンドゥー教の彫像が数多く制作されました。それらはいずれも地域特有の発展をとげ、独自の美術様式が花開いた。ここでは、インドネシア、カンボジア、タイ、ミャンマーの仏教像、ヒンドゥー教像を、金銅像を中心に展示します。
地下 12室
2020年6月24日(水) ~ 2021年4月25日(日)
60万年以上前に遡る前期旧石器時代の楔形石器や、インダス文明滅亡後の前2千年紀に栄えた埋蔵銅器文化の銅器はいずれもインドから将来された希少な考古資料であり、これらの展示を通してインドの先史時代と古代の文化を紹介します。また、タイ北東部のバンチェン地方ではおもに前3~後2世紀に武器や装身具を主体とする青銅器の文化が栄えました。当館が収蔵する500点以上のバンチェン出土品から選りすぐった優品を中心に、東南アジア各地からもたらされた多様な考古資料を一堂に集めて展示します。
地下 12室
2020年9月8日(火) ~ 2021年1月11日(月・祝)
東京国立博物館が所蔵する実業家岡野繁蔵旧蔵品を中心に、東南アジアのカンボジア、タイ、ベトナムでつくられた陶磁器、クメールでつくられた独特な器形が特徴的な金属器をとりあげます。さらに今回は、建築家横河民輔寄贈品のなかから、貴重な東南アジア陶磁のコレクションも展示します。
地下 13室
2020年8月12日(水) ~ 2020年11月1日(日)
多くの島々からなり、それぞれの島あるいは部族が独自の文化を営んできたインドネシアの地域色豊かな染織を展示します。チャンティンという道具で木綿に蝋を流し描きにしたり、チャップという金属製の型で繊細な文様を蝋で押したりした後に、染料を重ねることで染まるバティックは、世界文化遺産にも認定されたインドネシアを代表する染物です。その他、儀式やお祝い事の場を飾る浮紋織や縫取織といった織物、絣糸で文様を表わしたイカットなど、島々の個性豊かなデザインを見せる19世紀から20世紀にかけての染織の数々を名品を中心に展示します。
地下 13室
2020年9月8日(火) ~ 2020年10月11日(日)
インドでは、インド神話や、シヴァ神、ヴィシュヌ神などのヒンドゥー教の神々、王の肖像や歴史的なエピソード、男女の恋愛などさまざまなテーマを緻密なタッチと鮮やかな色彩で描いた、細密画とよばれる絵画のジャンルが発達しました。今回の展示では英雄クリシュナを紹介します。
地下 13室
2020年7月21日(火) ~ 2020年10月11日(日)
インドネシアの人形芝居ワヤンは、約千年前に始まり、現在も盛んに上演される伝統芸能です。人気演目であるインドの叙事詩『マハーバーラタ』や『ラーマーヤナ』は10世紀ごろ、ヒンドゥー教とともにインドネシアに伝えられ、民衆の間に広まりました。やがて絵巻物を操って物語を語るワヤン・ベベルが登場し、そこからワヤン・クリやワヤン・ゴレ人形などの人形劇が独立しました。物語もインドネシアの歴史や自然の中でアレンジされています。このたびは『マハーバーラタ』に登場する人形を展示いたします。