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受付終了

令和7年度 ミュージアム日本美術専門家連携・交流事業
国際シンポジウム「伝統技術の継承」

シンポジウムチラシ

博物館は長らく、文化財を現代に遺し、未来に伝える役割を果たしてきました。博物館草創期においては、伝統的な素材や技術で制作された文化財の多くは、それぞれの時代の記憶を遺したまま博物館で守られることとなりました。しかし、長い年月を経る中で、展示や他機関への出品といった活用、経年劣化、災害など、文化財を当初の状態のままに遺すことが困難な時代に博物館は直面しています。損傷し、劣化した文化財に求められることの1つに「修復」が挙げられます。現代とは異なる環境のもとで制作された文化財にとって、一次的に必要なのはその文化財に使用されている伝統的な素材を用いて、伝統的な技法を駆使するによって修復されることです。また、オリジナルの文化財がまだ形をとどめている間に、その文化財が持っているさまざまな情報を調査分析しながら、オリジナルに近い「復元」を制作することによって、後世に遺していくという方法も考えられるでしょう。その復元の作業においても、やはり、その土地の風土の中で用いられてきた素材と、高度に訓練された伝統的な技術が必要となってきます。

しかし、伝統的な技術や素材が必要であっても、それを完全に再現することは、現代においてどの程度可能なのでしょうか。また、伝統的な技術の継承者の不在、素材や原料の製作方法の消失など、すでに失われた技術や素材が必要となった場合、私たちはどのような手段をとるべきなのでしょうか。むしろ、現代の科学によって調査分析が進んだ結果、過去と同様のやり方を継承していくことが文化財にとって必ずしもよいとは限らないかもしれません。さらに、現代の科学によって、新たな素材の使用や技術の改良といった結果が導き出されるかもしれません。伝統的な技術がつねにその時代にニーズに合わせて改良され、発展しながら継承されてきた歴史を振り返るとき、「伝統」もまた「革新」とともにあることにも気付かされることでしょう。

現代においては、伝統的な技術を持つ職人たちが個人でその技術を継承していくには、社会的、経済的な困難を伴うケースが年々加速しているのが現状です。また、伝統的な素材やそれらを制作するための道具、道具を制作する職人の不足、といった問題が次から次へと現れ、伝統技術の継承という課題の解決が、ますます難しくなっている状況です。

博物館にとって文化財を守り伝えるために伝統技術を継承していくことは必要な課題の一つです。その一方で、伝統技術を有する職人にとっても、博物館の仕事は自身の伝統技術を取り戻し、活用できる最良の場といえるでしょう。お互いが必要とされる中で、どのような関係を築くことが、今後の博物館活動のために有効といえるでしょうか。失われた技術や素材が必要な場合、博物館では、どのような役割が期待されるのでしょうか。文化財について伝統的な技術と素材にアプローチすることは、現代人が文化財を理解するためにどのような効果をもたらすのでしょうか。「伝統技術の継承」をテーマに、博物館と技術者との未来像を考える機会となれば幸いです。

 

プログラム

13時30分  開始

13時35分  開催挨拶

13時40分  発表

 ダーン・コック博士 (オランダ国立・ライデン世界博物館)
 佐藤萌博士 (東京国立博物館)
 與那嶺一子氏 (琉球王国文化遺産集積・再興事業 染織部会 )
 ケビン・ラム博士 (シンガポール アジア文明博物館)
 (注)途中休憩あり。発表者と順序は予告なしに変更になることがあります。

16時30分  終了

 

 

日程
2026年1月31日(土)
時間
13時30分~16時30分
会場
平成館-大講堂
参加費
無料〈事前申込制・先着順〉定員300名 同時通訳付き
当日の入退場は博物館西門をご利用ください。
申込方法
ページ右下の申込フォームからお申し込みください。
(注)お申込みは1回につき、1名様とさせていただきます。重複でのお申込みはご遠慮ください。
(注)申し込み完了後に、ご入力いただいたEメールアドレス宛に、申込内容確認メールが届きます(自動送信)
申込締切
2026年1月27日(火)12時00分
お問合せ
03-3822-1111(代表)
国際交流室