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耳杯とは楕円形の杯の両側に耳の付いたもので,戦国時代から漢時代にかけてよく用いられた。飲食に使われたことが,時折記された銘文からも推測され,またその様子は石に刻まれた当時の画などにもあらわされている。しかし銀製の器は古代中国では一般に珍しく,現在残っている耳杯の多くは漆塗りのものである。耳杯のための支座は,前漢武帝の陵墓附近から出土したことがあるが,他にはあまり例を見ない。