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器体にやや厚めに彩漆を塗り,刀で文様を彫り,そこに様々な彩漆を埋め込んで文様をあらわしたものを填漆という。この手法は明時代の初期にはかなり行われていたようであるが,遺品は存外少ない。この盒子は蓋表に歳寒の三友といわれる松竹梅,蓋,身ともに側面に四季の花をすべて填漆の手法であらわしている。きっちりした文様の表現,しっかりした刀技など明時代初期の填漆作品の作風を余すところなく伝えた名品である。