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粉彩はヨーロッパの無線七宝の技術を導入して清時代の康煕末年に新たに開発された上絵付けの技法である。色数が飛躍的に増加し,濃淡のぼかしを生かした細密な描写が可能になった。この瓶は粉彩としては稀にみる大作で,器面いっぱいにさまざまな色合いの牡丹や菊,蝶が丹念に描かれている。写生風の絵付けは,絹本や紙本の絵画に勝るとも劣らない。底裏には青花で「大清雍正年製」の篆書銘が記されている。絵付けがとくに見事なことから,わが国にある粉彩の代表作の一つに数えられている。