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梁末の弾琴の名手,丘公の撰と伝えられる『琴譜』の鈔本である。琴曲「幽蘭」の弾奏法を序の形式で論じたもので,末尾には「楚調」「千金調」「胡笳」以下「楚妃歎」まで59種の曲名を列挙している。唐楷の斉整な書風で,初唐の書写と推定される。巻首の補筆部も唐人の書とみられる。幕末明治の医者・学者の森立之の『経籍訪古志』に収録され,ついで清の黎庶昌の『古逸叢書』に入り広く世に知られるようになった。もと京都西加茂の神光院に伝来した。