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蓋甲を高く盛り上げた独特の姿をみせる硯箱。箱の外側は全面を金粉を密に蒔いた金地に仕立て,鉛板の橋を斜めに渡し,『後撰和歌集』に収められた源等の歌「東路のさのの(船橋)かけてのみ思わたるを知る人そなき」を銀文字で散らす。古典文学に主題を求めたデザインと,大胆な装飾材料の用法を特色とする光悦蒔絵の代表作である。