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金の研出蒔絵で蓋裏や身の各側面をそれぞれ洲浜の形に区切り,三握の桧扇を家紋のようにまとめた文様を全面に散らす。鎌倉時代に流行した散らし文様の典型である。ここでは公卿が衣冠や直衣を着用する際に用いた桧扇がデザイン化されているが,身近な道具の形の面白さに着目したあたりに,当時の人々の意匠感覚の一端をうかがうことができる。