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菱川師宣の信頼できる肉筆画の中で世にもっとも知られた作品であるが,一人立ち美人図である点では珍しい作例でもある。歩みの途中でふと足を止めて振り返った印象的な姿は,まさに「菱川様の吾妻俤」(ひしかわようのあずまおもかげ)(『虚栗』)と謳われたそのものであろう。