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牛は牛車を牽く貴重な動力として平安・鎌倉時代には大いに尊重された。駿牛図巻は古今の名牛,駿牛を描き集めた図巻で,現在は一図ずつ切断されて諸所に分蔵されている。鎌倉時代の写実主義の傾向は,新しい肖像画「似絵」を発達させるが,これには人物ばかりでなく牛馬の図も含まれた。駿牛図はこうした似絵の作例である。